とある店の日常

紫五右衛門

第1話

僕は35歳お弁当屋の店長をしている。

35歳で弁当屋であるがまあ、世間で言う成功者なのかは賛否両論あるが、

そんな僕の店にはいろんな客がやってくる。

そんな多様なお客と愉快なバイト仲間との日常を書いた話である。


5月6日

春から夏になりかけるこの頃はバイトの面接が増える。

5月は大学生活に慣れバイトを探し始めるこがふえるからだ。

店長たるものバイト、つまりは人員を確保することは極めて大事な仕事である。

しかし、誰これ構わず採用するわけにもいかない。

長く続け、かつ真面目そうな子を見つけなければならない。

そのためにもより多くの子に面接に来てもらう必要がある。

一番人を集めるのに早いのは時給の価格である。これは学生のバイトを決める第一基準である。

だいたいは900から1000円くらいである。

うちの店は950なのでまあ妥当である。


次に基準となるのは、時間である。

つまりはシフトだ。 週何日入らなければならないかは学生にとってかなり大事である。

しかし週一にすればシフトを組むこちら側の負担も大きくなり、かと言って週5とかにすれば学生は自由な時間がないとバイトをやめてしまう。

ここも我が店は週3日から4日とまあまあ良心的である。


まあここまではいたって普通の基準であるが、最後に学生がより長く続けるには店のバイトの雰囲気である。

学生が多くいるところはやはり学生は入りやすいと思うようで、学生を確保するには毎年コンスタントに学生を確保するのが大事なのである。


まあ、そんなこんなで我が店にも今年もまあまあ応募がきた。

学生の面接をしているとまあまあ面白いのがたまにくる。

そのいくつかを今回は話そう。


一人目は 別の弁当から来たぜ野郎である。

名前の通り前も弁当店働いていた子である。

前のバイトも弁当屋というのでかなり期待していたのだが、

彼は面接一発目で

「ここの弁当ってぶっちゃっけパリピってナイスよね、俺前のバイト先でプロってたんで任せてください。」と発言してきた。

つまりはこうだ

「ここの弁当っていたってシンプルでなんか面白味ないですよね笑」

そう、彼が以前いた弁当屋はキャラ弁屋さんでキャラ弁などを中心に作っていた、

しかし我が店は昔ながらの店なのでそんなことは年末とかにキャンペーン的な感じではするが前面には出さない。

彼はどうやらキャラ弁を作るのがうまいのを自慢したかったのだろうが、当たり前だがバツである。

別に我が店の弁当を馬鹿にしたのは自由だが、その日本語が気に食わなかった。

なんなんだ 僕たちは10年来の友人か?!

と突っ込まずにはいられなかったので、

僕はこう返した。

「君だいぶバイブスかかってるぜ。また連絡します。」



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