第4話

 届かないと思っていた背中が、触れられないと思っていた手が目の前にあるのに、なぜこんなにも苦しいのだろう。


 頭を撫でる優しい感触に憧れていたはずなのに、ただ切なさが増すだけ。


 そんな寂しげな目を見たかったわけではなくて、願ったのはずの笑顔は遠くて。


 全て奪った存在を憎むこともできなくて。

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