恋と呼ぶには優しく、愛と言うほど甘くない
青桐美幸
第1章
第1話
閉じ込められた腕の中、一気に上がる熱にうろたえて俯いたまま黙っていたら、長い指に顎を捕らえられその瞳に囚われた。
離して、と抗う声は掠れていて、ゆっくりと近づいてくる唇を拒絶するには到底足りなかった。
零れる吐息が混ざり合い、その情欲に絡め取られる寸前に、耳元で低く響く。
「放さない」
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