第48話
「・・・・・・なぜ?」
「いや、なぜ? じゃねーよ!! 当たり前だろ! なんでさっきまで味方だった奴が急に敵側に寝返ってんだよ!」
「私、敵だったの?」
「・・・・・・木川・・・・・・彼女出来る・・・・・・私お世話して・・・・・・貰える・・・・・・皆幸せ」
「どこがだ!! 俺の負担がヤバイだろ!!」
「ん・・・・・・わがまま・・・・・・」
「どっちがだ!!」
なんでこうなった・・・・・・。
八島がやってきて、高石を止めてくれるのかな、なんて淡い幻想を抱いたが、やっぱり幻想だった。
こいつ、自分のことしか考えて無い・・・・・・。
「私の事を置いてけぼりにしないで貰える?」
「大体高石さんもなんで八島の戯言に協力するような言い方したんだよ!」
「八島さんと平和的に解決が出来るなら、私はそっちを取るわ」
「そう言ってるなら、俺と平和的な解決をとってくれ・・・・・・」
なんなんだこいつら・・・・・・俺を中心にした話しなのに、俺の意見を一切聞こうともしない・・・・・・。
俺の周りはなんでこんなに面倒臭いんだ・・・・・・。
「それで木川君、私とは付き合わないってどう言うこと?」
「いや・・・・・・この際だから言うけど、ストーカーとは付き合いたく無いです」
「酷いわ! 私はストーカーなんかじゃないのに!」
「いや、ストーカーだよ!! 正真正銘の!」
「うっ・・・・・・私はただ木川君の事が・・・・・・好きなだけなのに・・・・・・うっ・・・・・・」
「木川・・・・・・女の子泣かせるの・・・・・・良くない」
「あれ? なんで俺が悪い見たいになってるの?」
八島は高石を慰めるように高石の頭を撫でながら、俺を睨んでそう言う。
いや、なんで俺が悪いみたいな感じになってるの?
悪いのはストーカーしてた高石と自分の事を自分でしない八島だよね?
「はぁ・・・・・・じゃあ俺はどうすれば良いんだよ・・・・・・」
「知らない・・・・・・」
「自分で言っておいて興味無しか! どんだけ自分の事にしか興味無いんだよ!」
なんでこいつらはこんなに自己中なんだ……。
俺はため息を吐きながら、がっくりと肩を落とす。
「とにかく、とりあえず一週間は付き合うって言ったんだから、それは守ってね」
「……じゃあ、こっちも条件がある!」
「条件?」
「俺のストーキングはもうやめろ、俺はストーカーとは付き合えない!」
「え!? じゃ、じゃあ放課後に木川君の後を付けるのは!?」
「ダメに決まってるだろ!」
「そんな事言われたら、放課後まで木川君の顔見れないじゃない!」
「なら普通に一緒に帰れば良いだろ!」
「そ、それはなんか……恥ずかしい……」
「なんでそこで羞恥心が出てくる……」
このままでは飯を食べる時間が無くなってしまう。
そう思った俺は、とりあえず飯を食べようと二人に提案し、三人で食堂に向かった。
「はぁ……なんか余計に面倒な事になった気がする……」
「………なんで?」
「お前のせいだよ」
もう食堂に残っている生徒は少なかった。
俺たちはそれぞれ注文を選び、三人で固まって食事を始めた。
「ねぇ、八島さん」
「……何?」
「木川君って普段はどんな生活をしてるの?」
「おい、なんでそれを八島に聞く?」
「え? だって半同棲みたいな事してるじゃない」
「それはそうだが、ここに俺が居るんだから、俺に聞けよ」
「客観的な意見が欲しいのよ」
「なんだそのこだわり……」
こいつは本当に俺の事が好きなのか?
なんかところどころでズレている気がする。
「ん……朝私を起こす………昼……私にご飯を作る………夜……私に晩ご飯作る……」
うわ………俺の生活ってマジで八島中心じゃん……。
てか、俺何やってんだよ!
なんで八島にばっかり構ってるんだよ!
改めて考えるとやっぱりおかしいぞ、この関係!
「へぇ~そうなんだ!」
いや、突っ込めよ!
おかしいだろうが、俺の生活!!
「ところで八島さん、お願いが有るんだけど良い?」
「……何?」
「この監視カメラを木川君の家に……」
「待て」
「きゃん!」
俺は高石から小型のカメラを取りあえげ、高石の頭にチョップを食らわす。
「いた~い! もう、なにするのよ!」
「何するのよじゃない! これはダメだろ! 普通に犯罪だし! しかもなんで俺が居る目の前で言うんだよ!」
「目の前で言ったら、承諾を得たことになるかと思って……」
「なるかっ! とにかくカメラはダメ!!」
「えぇ~……お部屋の木川君を見たかったのに……」
「お前なぁ……」
なんか高石のキャラ変わってないか?
俺がそんな事を考えながら、食堂で注文したそばを食べていると突如食堂に強と早乙女がやってきた。
「おい、琉唯! 聞いてくれよ! 大変なんだ!」
「こっちは別件で忙しいから、お前はとっと土に帰れ」
「なんでだよ! 酷すぎるだろ!! 良いから俺の話を聞けって!! 大変なんだよ!」
「なんだよ……どうせレア物のエロゲーが手に入ったとかだろ?」
「違うんだよ! さっき仲良くなった子から、今度合コンしないかって誘われてな!」
そう強が言った瞬間、俺は後ろから何か黒い気配を感じた。
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