neos

さむくなってきた



悔しいけどここには思い出が多すぎる


電車にゆられながら


あ、このお店の焼き鳥はおいしかったな

あ、あの縁石の上を歩きながら

缶ビールを空けたな


あ、あの道2人で歩いたことあるな


あの角を曲がって、湿った裏路地を通るといつも

油とラーメンのにおいがするんだよな


それを匂って、

はぁ〜食べたいねえ、おなかすいたぁ

って言うんだ



日本酒を飲みながらクリスマスソングを聴いたし

記念日は必ず焼き鳥を食べた


そういえばいつも右側にいたな

右手で手をつないで、

そしたらいつも親指で

私の人差し指をさするんだった



ああもうだめだここには

思い出が多すぎる



離れてみると、

あんな小さいこと、受け入れてあげればよかったと


でも結局のところは

あんな小さいことは

そのときの私にはとても大きな悩みだった



何度も泣いて、離れては元に戻って

しょうもない、めんどうくさい恋愛をした

ずたずたに、ぼろぼろにくじけた

なにも持たず、ただへたりこんだ


ふたりでつくるのはむずかしい

いつも笑顔でいるのはむずかしい


後になってからわかることの方が多い



その時に、

あの時の自分には精一杯だったと思えることだけが

未来の自分の救いになるのなら

今はただたくさん泣こうか

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