ビジョン
キラキラとしたときめきを結婚生活に求める人は求めればいいと思います。
でも、それを生涯維持し続けることは、現実的と言えるのでしょうか?
それが可能であるとするなら、なぜ、結婚生活についてのネガティブな話がこんなにもこの世に溢れているのでしょう?
『結婚した途端に人が変わった』
『結婚した途端に魅力がなくなった』
そのような話は枚挙に暇もないほどに並んでいるのではないですか?
自分だけはそうならない。自分だけは理想的なキラキラした結婚生活を維持できると考える根拠はどこにあるのでしょう?
私にはどうしても、理解ができないのです。恋愛物語に出てくるようなキラキラとした関係をどのようにして生涯続けるのかということが。
どのようにシミュレーションしても、私にはそれを実現できるビジョンが見えてきません。
それを実現できる人は実現すればいいと思いますが、そのような例外的な事例を普遍的な事実のように語るのはおかしいのではないでしょうか。
しかしここにいるのは私であり、私のダメな部分、みっともない部分もただそのままに受け入れてくれるヒロ坊くんなのです。だから私は、私とヒロ坊くんとが何十年も一緒に生きることを想定し、それに基づいて行動することを心掛けています。
私はもう、ヒロ坊くんの前では化粧もしないし、普段から着飾ったりもしないでしょう。
出逢って間もない頃にはついつい気合を入れてしまったこともありましたが。そのようなことをしなくても彼は私を見下したりはしないのが今では分かります。
何しろ、お義父さんがまさにそういう方であり、現在高校生であるイチコがそうであり、今の彼が、そのままの私を受け入れてくれているのですから、そこに今さら取り繕った余所行きの私をさしはさむ必要など感じません。
『今はそうでも、大人になったら分からない』
とおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが、現在十七歳で既に大人に近い年齢のイチコが今の彼とよく似ているのですから、彼が変わってしまう理由がありません。
『変わってしまう』のは、変わらなければいけない理由があるからでしょう。変わらずにいられない理由が。
けれど、彼にはそれがありません。今の状態で幸せなのですから。
今が幸せなのに、何故それを変えてしまわなければいけないのでしょうか。
彼はこのままで成長するだけで何も問題がありません。
だからこそ、ありのままを受け止められる器を持った彼に相応しい女性になるためには、私もありのままの彼を受け止められるようにならねばなりません。
自分が気に入らないからと他人を攻撃するような人は、彼とは合いません。
器の違いを見せ付けられることで、彼に反発したりするでしょうから。
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