第8話 おわったよ

「二階の雑魚とは違うのじゃ。四階は怪物!天井ドンしたら、お終いなのじゃ!」


ギリンジさんが泣きわめいている。喋り方も変わってきて、何だか可哀想になってきた。しょうがない。最終手段だ。


「ギリンジさん。一つだけ方法がある。ベイビーの口元に近づいてくれ!」


「あっ、ハイ!」


ギリンジさんがベイビーの首をつたって口元に近づいた。天井ドンまで後一分。急いでギリンジさん!


「ベイビーの口を開けるんだ!早く!」


「これでいい?」


ギリンジさんがベイビーの口をこじ開けた瞬間、ベイビーはギリンジさんの首をパクンとくわえた。


「ナイスおしゃぶり!ギリンジさん!」


ベイビーがギリンジさんの首をチュパチュパし始めた。夜泣きにおしゃぶり。歯並びが悪くなるのは嫌だから、なるべくしたくはなかったのだが、ギリンジさんの首は丁度いい大きさで、ほんとにナイス。ベイビー落ち着いてきたよ。天井ドンまで後五秒って所で落ち着いたよ。


 その後、俺たちはギリンジさんの部屋に着陸した。着陸してすぐ、ベイビーはチュパチュパを止めて眠り始めたので、俺は、そっと、ギリンジさんを口から外した。ギリンジさんはぐったりとしているが、ベイビーは赤ちゃんだから歯は生えてないので、傷は無い。


「ギリンジさんのおかげで寝かしつけに成功しました。ありがとうございます。」


赤ちゃんの寝かしつけは、大変なんです。本当にありがとうございました。


おしまい




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る