第20話 『修羅場脱出大作戦』

『くをっ~~超~ミスったぜ~~』

あの言葉は流石に不味かったよな・・

『やっぱり「クリスのお腹豪快に鳴いてるな~~」なんて言ったら言われた本人は超恥ずかしいような・・』


女の子に、あの言葉はデリカシー無かったよな。

そうだよな~~



『クリスったら顔を真っ赤に染めたままブルブル震えてるんだもんな』

よっぽど・・

恥ずかしかったみたいだな


悪い事しちゃったかも・・


お腹がへってるから特に気が立ってイライラしてしまうんだろうな

この状態で変な事でも言おうものなら、何が飛び出してくるか解らないからな・・


ここは何か速攻食べさせて満腹状態にするのが一番!!



「クリス外のベランダで皆で一緒に食事にするから一緒に行こう」

と恐る恐るクリスの居るベッドに歩み寄りながら・・

クリスに声を掛けてクリスにむけて手を差し伸べる俺。


正直・・・冷や汗が・・出てくるぞ・・


『今度は蹴りか?右ストレートか?』


それが出て来ないことを・・・祈ろう!!


『ひぃ・・』


クリスの右アッパー?


・・・



・・・



・・・

と思っいたら、

クリスは少し躊躇して一旦止め・・・


『何か・・考えてる?』

そんな感じに一瞬首をかしげる素振り?


何か・・考える素振りを見せた後、普通に俺の差し出した手を・・握ってくれた。


『うをぉ~~超~~た~ちょうっとチビった・・かも・・』


俺はビビってチビリそうな気持ちをクリスに気づかれないように・・

ちょっと引き攣り気味な笑顔を作り、クリスに何か言われないようにと、速攻クリスの握ってくれた手を引っ張ってバルコニーへと連れ出した。


俺はケーキを食べていた3人に声をかけ

「改めて紹介するよ。さっきも話した通り俺の運命の人クリスティーナをこの世界に呼べなくって、この世界にクリスティーナを作ったつもりが別人になっちゃった。だからクリスという名前を付けた。これから色々と身の回りの事を手伝ってやって欲しい」


とクリスを紹介

すると3人は立ち上がって

「クリス様のお世話係として作られたアンドロイドのアイラでございます。何なりとお申し付け下さいませ」

「アイラと同じくクリス様のお世話係として作られたアンジェでございます。一緒にいろんな事しましょうね」

「アリアでございます。これからよろしくお願い致します」


と規定と通りの社交辞令

この辺は流石アンドロイド

規定通りの行動・・・だな


お腹のめちゃめちゃ空いている機嫌最悪のクリスをこれ以上待たすと何しだすか解らないから早速食事にしよう


「クリスも起きてきた所だし全員で食事でもししようか。あ~手軽に食べれる物で結


構分量があるものが良いから・・うんアイラ!!カレーライスを5人分用意してくれ」


俺がアイラにそうお願いすると、テーブルの上に散らかっていたケーキ類があっという間に無くなって5人分のカレーライスが各人の前に出現


『流石魔法のポーチの機能半端ねぇ~~』


空かさずアンジェが水の入ったコップを置いた後

キャベツ、にんじん、たまねぎを空中に放り投げた瞬間レーザーソードで一瞬で千切りにして空中でボールにキャッチしテーブルの真ん中に山盛りのキャベツ、にんじん、玉ねぎを千切りにしたコールスローサラダを取り出し各人の前に取り皿を配ってゆく


アリアはテーブルの上に手をかざして取り出されたカレーライスに向けて電磁波を


『バチバチッ』


『バチバチッ』


『バチバチッ』


『バチバチッ』


『バチバチッ』


っと放出させて少し冷えたカレーライスを温めホカホカに湯気が上がった所でスプーンをテーブルの各人の前に並べる


その間10秒も立ってはいない!!

さすがの手際良さ!!


それを見ていたクリスは

「アリアちゃんもアンジェちゃんも本当にアンドロイドなんだね」

とビックリしているようだが

「裕翔さまは少しリアルに作りすぎたか!!なんて少々ご不満みたいですよぉ~」

と早速アリアがブーイング!!


「だよね~私最初見た時めちゃめちゃ可愛い女の子を3人も侍らせてって思っちゃったもの!!3人共ロボットさんだったんだね~ビックリから上だよ」

とクリスも照れ笑い



4人はなんか和気愛々に言葉を掛け合っているが・・

俺は何時機嫌が悪くなるか気がきじゃ無いんだ


まさかのクリスの枕投げで、2回転半のバク宙返りシャチホコダイブするとは思ってもみなかったぜ!!

そうなる前に食事をしよう!!

そう決心し

「冷めないうちに皆でたべよう」

と俺は空元気イッパイにみんなに声を掛ける。


俺のその声に皆一斉に席に着き


「いただきまあ~~す」

の大合唱の後皆で楽しいランチタイム


俺の横では黙々とカレーライスにスプーンを走らせてカレーライスを平らげてゆくクリスが居る。

俺はそんなクリスにコールスローサラダを取り分けて勧める

テーブルの上には色んなドレッシングが既にアンジェによって準備されている。

その中からオレンジのドレッシングをクリスは選んだようだ。


クリスはコールスローサラダサラダを口に含んだ瞬間


「うわ~~美味しい~このドレッシング超~~いけるよぉ~~」

と凄く満面な笑顔で俺を覗き込む。


『うをぉ』


か・・顔が・

顔が近いぞクリス~~!!


一瞬で体中が熱くなる

「裕翔くん顔赤いよ?熱でもあるの?」

クリスのそんな言葉に

「クスッ」

「クスッ」

「クスッ」

っとアイラ・アンジェ・アリアは申し合わせたように口を思わず笑いを堪えている3人

『3人には恋愛相談しちゃったからな~やめてくれ~俺の気持ち解ってて笑うのはさ~』

心配そうに俺を見つめるクリスに向かってアンジェは

「大丈夫ですよクリス様?裕翔さまはカレーの辛さに噎せてるだけですから」

とナイスフォロー

アンドロイドにフォローされる俺って情けねぇ~~

でも何とか修羅場脱出成功?・・・かな?・・


つつく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

まだ見ぬ君と紡ぐ赤い糸の伝説 シャーロット @airi_01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ