昭和と自転車

ネ友の日記より。

自転車のタイヤがボロボロになった、とのこと。

自転車屋をさがしたら、見あたらない。


その人の知っていた近所のそれまでの様子は、

良くも悪くも昭和の面影を残していました。

道路はガタガタ、看板は傾いており、

アパートからは下着がつり下がってるという状態。

薄汚い小径には、野良猫が走り回り、紙くずや犬の糞が転がっていて。

それでも、小径を走る子どもたちや、

イヌの散歩をしているおじさんおばさんが、ゆったり歩いている。


いまでは、しゃれたブティックに、美容院。

コンビニや、カフェや、パチンコ店。

キラキラ輝く町になったけれど

自転車屋の姿が見当たらない。


隅々まで探しまくったとき、やっとまちかどに、自転車屋を見つけました。

そこに入ると、そこはまさに昭和。

饐えたタバコの匂い、木の腐りかけた臭気、

自転車屋さんの欠けた歯、

大きなのっぽの古時計。


懐かしくてじんときていると、

自転車屋さんは、タイヤを交換して2,500円を要求。

昭和を再び感じることの出来た筆者は、喜んで払いました。

また自転車がイカれたら、ぜったい行こう、そう決意したそうです。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る