彼岸の串団子

こんな散文詩、作ってみました。


彼岸の串団子 2020/09/22

 彼岸になった。

 スーパーを覗くと、なぜか餡子の串団子が売られている。

 三つで税別、88円。

 欲しい。

 太る。

 体内で、せめぎあう天使と悪魔の声。

 わたしはしずかに団子に近づく。

 団子はこしあんと粒あんがある。

 わたしは粒あんが好きだ。

 団子は三つ並んで誘惑している。

 ま、負けたくない。

 手が伸びる。

 手をおさえる。

 クルリと背を向ける。

 脱兎のごとく、駆け出す。

 客にぶつかってコケた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る