『どこから行っても遠い町』感想

カクヨムでコメントが来ました。朗読会についてなんです。

『どこから行っても遠い町』 を読みたい、というコメントでした。

わたしのほうは、本屋まで行くヒマがない

(片道20分はかかる)ので、

どうせヨガや合唱サークルでいつも行くのだからと、

公民館で図書館本を借りました。

そしたらびっくり、

大活字本ということで、老眼でも見られる本でした。

上下巻。朗読会で読まれていた

『蛇は穴に入る』 は 上巻に収められていました。


朗読会では、主人公がただ流されるままに、気まぐれに

職を転々としているように受け取ったのですが、

よく読んでみると、この「ぼく」って人はほんとに

不幸と不運が山と押し寄せてきていて、

これじゃあ、たしかに職は続かないよと

思わず同情。


上司命令で株を運営していたら、

それが使い込みと関係していて、

知らずに報酬をもらったので

辞めざるをえなかったというあたり、

「もっとしっかり、自分を主張せんかい!」

と言いたくなったほどでした。


そんなことが発端で、ありえないほど

辞めざるをえない状況が続いてます。

転がる石にはコケはつかないと言いますが、

どんな職を経験しても、身につけたことはなにもなく。

やっとゲットした介護ヘルパーの仕事も、

介護している人の死と隣り合わせの仕事なのです。


活字でじっくり読んで考えました。

朗読会では、あまり感じなかったんですが、

「蛇は穴に入る」

という辰次さんの詩は、

主人公が、やがて自分の居所を見つけていく、

ということを暗示しているのかな。


蛇は西洋では嫌われ者ですが、

日本では、「神の使い」 (白蛇など) と言われたりすることもあります。

自分の本来いるべき場所へ戻れる、ということは、

本来の神の使命を果たせる、ということにつながります。

それだけで恵まれているのかもしれません。

川上弘美の言いたいこととは、違うかもなのですが。


朗読会のほかの小説も、機会があったらちゃんと読んでみたい

と思った、今日のわたしでした。

(暇がない……)。

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