第10話 アンフェア

「くッそォ~……❗ 汚ッたねぇ~ぞ❗❗」

 管理人はわめき立てるように叫んだ。


「フフゥン…、どっちがだよ。

 管理人がを使って若い女性の部屋へ侵入して下着を盗むなンて……

 ぶっちゃけ、みたいにだぜ……❗❗」

「ぬゥ……」管理人は唸った。


「そうよ❗ この部屋をくまなく捜索されるとマズいと思ったのね❗

 もしかしたら盗聴器から指紋が検出されると❗❗」

「……」

「だから、七瀬ちゃんが居ない内に盗聴器を回収しようと部屋へ侵入したンだろ……」


「チッ……」どうやら図星のようだ。


「天に代わって、悪党をつ❗❗❗

 黙って大人しく自首をしろォ~❗❗❗」


「うッるさァ~ーーい❗❗」

 管理人は目を血走らせ、殴り掛かってきた。


「おいおい……😱💦💦」冗談だろ……

 自慢じゃないが、俺は喧嘩が苦手だ。

「やめてくれェ~ーー」思わず逃げ腰になった。


「フフ…… 後は、お姉様に任せなさい」

 横にいたクリスが間に立ち塞がった。


「くゥ…、退けェ~……」

 管理人は女性でも容赦なく殴るタイプのようだ。

 顔面へ向かって右ストレートを放った。


 しかしクリスも負けてはいない。

「ッチャァ~ーー」バレリーナのように長い美脚が空を切り裂いた。

 『ドッゴォ~ーッ』ッと鈍い音が響き、管理人の横ッツラに強烈な上段回し蹴りが炸裂した。


「ブッゲェ……」管理人は床に叩きのめされた。


「フフ…… 私、これでも極神きょくしん空手をたしなんでいるのよ」

 空手の型を切った。


「ハッハハ……」俺は苦笑いを浮かべた。

 クリスと喧嘩するのはめておこう。


 あんなキックを食らったら命が幾つ有ってもたまらない。



 遠くからパトカーのサイレンの音が響いた。




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