第12話【土から出てきた変な砂】
「点滅、しているな」
いつも説明がでる右のページを見るとアイテム説明とは違う色の四角が現れていた。
『すべての同一アイテムをまとめますか? Y/N』
同意の印であるYを即座に指で押す。すると、ボアベッドの枝が『ボアベッドの枝×783』に変わった。
「ですよね、この魔道具作った人だってそうかんがえるよね!」
ほっとした。というか、この方法に気づかなかったら枝783個もいちいち排出していたのかと思うとぞっとした。
他のアイテムも一括にしていく。よし、ようやくお楽しみの時間だ。
「さて、何が採れているかなっと」
まあ、生きているものは取れないし、そもそも果物や値打ちモノなんてこんな場所におちているはずがないんだけどね。
……
・小石×147
・平石×40
・イノシシの骨×2頭分
・白蛇の抜け殻×1
・凝血石(低位)×2
・凝血石(魔砂)×584
……
「え、凝血石?」
モルじいさんが前に倒した後、そのままにしていたんだろうか?
いや、下位の凝血石はそれで良いかもしれないけど、凝血石(魔砂)ってなんだ?
気になったので5個くらい出して見た。
「ちっさ!」
手の平にでてきたのは麦の粒よりまだ小さい。
太陽にかざして見える赤色で、かろうじて凝血石だとわかるものだった。
最低位のバグ系の凝血石だって爪の先はあるのに……
うんうん悩んでいると、綺麗になった森の入り口からモルじいさんが歩いてきた。
「この森はこんなに綺麗だったか?」
しきりに首をひねっている。
「綺麗って、そりゃ掃除したんだから綺麗でしょう」
「いや、掃除はいいんだ。入り口に積み上がっていた葉っぱや枝はお前がやったんだろう。そうじゃなくて、魔素が『ない』んだ」
魔素がない?
「まぁ、森はたくさんあるし、俺の勘違いかもしれん」
年かのう、とモルじいさんはため息を一つついて切り株に座った。
ちょうどいい、さっきの凝血石を見てもらおう。
「あの、こんなのがみつかったんですが……」
切り株の上に下位の凝血石、それから手の中の凝血石(魔砂)を並べた。
モルじいさんを顔を寄せてそれらをまじまじと見る。
「低位の魔石はボアかスネークだろう。手負いがここに逃げ込んで死んだのかもしれんな」
「こっちの粒はなんですか?」
「その粒は古戦場でたまに見つかるやつだ。大規模魔法などでは一部の魔素が燃え残る事がある。まあこの森なら二、三粒はでるだろうが、とくべつ珍しいわけでもないし、使い道もないからなぁ。ま、記念にでもとっとけ」
帰るか、と、モルじいさんがさして興味もなさそうに歩いていってしまったので、言いそびれてしまった。
「これ、二、三粒どころか百個単位であるんですけど……」
――◆ 後書き ◆――
いつもお読みいただきありがとうございます!
【お願い】
★評価、フォローをぜひお願いします!
理由は以下の通り!
評価★やフォローが入る
→作者のモチベーションが上がる
→話のストックがたまる
→毎日更新が途切れない
エピソードの安定供給のため、なにとぞお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます