第22ニャ【かっぷニャー麺】
猫神様の宿泊券を使って山の麓の部屋を確保したぬ子とすばり。お
「……猫缶」
選べるメニューが猫缶だけとか、
美味しいけど
それにしても、すばりの選んだ謎の物体が気にニャるな。ぬ子は横目ですばりの動きを観察することにしたニャ
「くっくっく、異世界でカップ麺にありつけるとはな。しかも人間界製、
すばりは独り言をブツブツと溢しニャがら薄い蓋を半分くらいあけて、そこに付属で付いてきたお湯を注いでいくニャ
注いだらすぐに蓋をしめて、
とりあえず、じっと見つめてみるニャ
……
……
って、
はっ!! この香り、謎の物体からだニャ!!
——ゴクリ
「よし、そろそろだな」
すばりが蓋をあけると、真っ白な湯気がフワッと舞い、いい香りが部屋に満たされたニャ
すばりは変ニャ木の棒を二つに割って、それを使って器用に中身を引っ張り出し、吸い込むようにソレを口に運んだニャ
「ん、うまいな」
眼鏡が湯気で白く曇ってますニャよ
それはさておき、どんニャ味ニャのか? 気にニャる、気にニャる、非常に興味深いんニャけど
すばりが木の棒を動かす度、ぬ子の身体が反応してしまうニャ。まるで猫じゃらされてるみたいに
「ん? 食わないのか? お魚たっぷり猫缶ライト」
じゅるり——
「カップ麺が気になるのか?」
うんうん——と、
「さすがは猫だ。いやしい奴め、仕方ないから少し分けてやろうではないか」
「おおっ! いいのかニャ!?」
意思と反して尻尾が反応しちゃう!
食べたいっ! ちゅるんってしたい!!
すばりが眼鏡の曇りを布で取り払い、ぬ子の前に白い湯気を立てるかっぷニャー麺? とかいう
変ニャ棒、すばり曰くお箸の使い方を教えてもらい、いざ、ちゅるんの時と思ったけど、
「う、うまく出来ニャい、ニャ!?」
うぅ、口に運ぶ前に逃げられてしまう
「ふむ、肉球では箸は扱い難いか。なら、缶詰についていたフォークを使えばいい。こうして、巻きつけるようにして、ほれ、口をあけてみろ」
「ニャ、い、いいニャそんニャの!? 恥ずかしいニャ!!」
ぬ子の言葉を無視してフーフーまでしちゃうすばり。お母ちゃんみたい
「よし、あ〜ん」
「にゃ〜ん」
はっ!! しまった、つい反応しちゃ、ぱく、
——!? こ、これはっ!!
——かっぷニャー麺やべーニャ!?
「お、美味しいニャ!」
「くっくっく、猫でもこの味がわかるのだな」
「す、すばりっ、もう一口っ、にゃ〜」
ぱくり
ニャほーっ!! これは病みつきにニャる!!
そして、
気付けば空っぽになってたニャン♪
「す〜ばりっ、ごめんニャちゃい!」
一先ず可愛く謝ることにしたニャ。すばりはズレた眼鏡の位置を元に戻しニャがら小さく溜息をついたニャ。えっと、
「猫缶、食べるかニャ?」
「いや、それはぬ子が食べればいい。我は風呂にでも入ってくる。適当にくつろいでいるがいいさ」
あ、行っちゃったニャ
多分、ちょっと怒ってるよね。——反省
と、そんニャこと考えてると、バスルームからシャワーの音が聞こえてきたニャ
お風呂か。ぬ子、水はちょっと苦手だニャ
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