第13ニャ【キュン死ニャせる気かニャ!?】


 すばりは服屋のおばちゃんに猫銀貨一枚を手渡し、即決で選んだソレをその場で羽織ったニャ


「よし、これでいいだろう」

「そ、それだけかニャ? まだ猫神様から貰った猫銀貨が残ってるのに?」

「くっくっく、我はこのジャージがあれば良い、それより……」


 すばりは振り返ると、いきニャりぬ子の首ににゃにかを巻いたニャ


「ニャンッ!? はっ、これ、マフラー?」


 暖かいニャ。ぬ子の首に白いマフラーが巻かれたニャ。えっと、これは?


「首元が少しばかり寒そうだと思ってな。ピンクなポンチョも暖かそうだが、店に入った瞬間、これは似合いそうだと、わ、我の魔眼が疼いてな」

「か、買ってくれるのかニャ?」

「猫銀貨二枚、ちょうど今、待ち合わせがあるしな」


 すばりは少しばかり頬を赤くしたニャ。そして癖のように眼鏡の位置を調整


 やば、おっ○いがキュンってしたニャ……


 おっ○いニャいけど


 こうして結局、すばりは黒いジャージだけを購入してぬ子に白いマフラーをプレゼントしてくれたニャ。ぬ子がすばりに似合いそうニャものを探してた時、すばりも同じように……?


「キュン死ニャせる気かニャーー!?」


「……ん、ほら行くぞ? 飯だ」


 顔が熱いニャ。きっと今、ぬ子の顔は真っ赤に違いニャい。そんニャぬ子の気を知ってか知らずか、何食わぬ顔で店を後にするすばり

 ぬ子は慌ててすばりの後を追って店を出たニャ



「ちょっとすばり〜、待つニャ〜!」

「何だ? 卑しい猫はマフラーだけでは満足出来ないのか? だが、残念ながら猫銀貨は使い切っ……っ……!?」

「すばり、ありがとニャン!」


 ぬ子は常識猫ニャ。お礼を言わニャいといけニャい時くらい弁えているニャン

 でも、にゃんでだろ、すばりの顔がさっきより赤くニャっているように見えたニャ。ほんの一瞬だけど、確かに

 と、そんな事を考えてると、すばりのぶっきらぼうな声がぬ子の垂れ耳の鼓膜をちょっぴり揺らしたニャ。はやく飯にするぞ、ってニャ


「すばりったら、ツンデレちゃんかニャ〜?」

「ぐはっ、だから絡み付くなと……す、擦りつくんじゃないっ!?」

「猫の愛情表現ニャ〜♪」

「別に猫の愛情などいらん! は、な、れ、ろ〜っ!!」

「い、や、ニャーーッ!!」スリスリ


 ついつい調子に乗って絡み付いてると、すばりが白目にニャって卒倒しちゃったニャ。きっと、ぬ子のおっ○いの感触で興奮したんだニャ〜

 にゃんと言っても、ぬ子は二歳の成猫おとにゃ! おとこが擦り付かれて無事ニャ訳ニャいよニャ〜


 ふっふん、にゃんか自信出たニャン


 ……あれ?

 中々にゃかにゃか起きニャいニャ?


「おーい、すばり〜? ニャ?」


 まさか、嬉死うれしんだかニャ?

 はっ!? あわわ、ど、どうにかしニャいと!? えっと、えっと、とりあえず運ぶニャ

 でも、すばり無駄ににゃがくて、ぬ子の力じゃ一ミリも動かニャいや

 はぅ、ミカン食べたい。じゃニャくて、


「が、頑張って担ぐしかニャいよね……よ、よーし……あ、あれ、は……!」


 ラッキー! あんニャとこに仔猫ちゃん達がよく使っているソリを発見!

 アレにすばりを乗せれば、力のニャいぬ子でも無駄ににゃがいすばりを移動させられるニャ


 ぬ子は頑張ってすばりを引きずって、にゃかば無理矢理ソリの上に乗せる事に成功したニャ。——頑張れば猫、にゃんでも出来る!


 ぬ子が安心した、その時だったニャ!?


 ——

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