第21話・初仕事にいってみよう
「職種は…出稼ぎ?ですか」
アドルさんが不思議そうな顔をして、確認してきた。
「ダメですか?さすがに「
「いえ。良いと思いますよ。ユウキさんらしいですからね」
「ありがとうございます。じゃ、これで登録をお願いします」
そう言って申請書を渡し、しばらく待つとアドルさんが銀色の細い棒を持ってきた。
麻雀に使う千点棒みたいな感じだ。
「こちらが冒険者の登録証になります。無くさないように首に掛けておくと良いですよ」
カードじゃないんだ。なんかギルドはカードって先入観があったから、違和感ハンパないわぁ。
通称「ギルドスティック」って言うだってさ。
それからは、お決まりのギルドの説明になった。
A~Fのランクがあって…とか、そこらへんはよくあるファンタジーと変わりなかった。
「早速、依頼を受けたいんですが」
「そうですか。ユウキさんは初心者のFランクですから、1ランク上のEランクまでの依頼が受けられますよ」
「初仕事なんで簡単な依頼が良いかな。スライムとかありますか?」
「スライム関係は常設依頼ですから、受付無しで受けられますよ。スライムゼリーの容器はあちらに置いてありますから、そちらをお持ちください」
そう言われて常設依頼の掲示板の下を見ると、ゼリー用の容器が箱に入って置かれていた。
スライムは魔物と言っても比較的安全だから、子供でも倒せる。ただ、素材をゲットするのに厄介なだけだ。
だから、ランク無しでも受けられる常設依頼なんだろう。
「了解です。で、スライムの分布状況も教えてください」
「今時期は森の方が大物が多いですね。ダンジョンの方にもいますが、個体が比較的に小さいうえに凶暴なんで初心者にはオススメしてません」
「そうですか。じゃ、森の方で狩ってきますかね」
ダンジョン産のスライムが凶暴って初めて聞いたわ。
情報を聞いておいて良かった。
今後の事も考えて、早めに情報収集をしておこう。
そして俺はスライムの容器が20本ほど入った箱を抱えてギルドを出ようとした。
おう!空の容器だけど、20本もあると結構な重さだわ。
「!?……ユウキさん?何をしてるんですか?」
「え?容器は借りて良いんですよね?多めに持って行っちゃダメですか?」
「あの…ダメじゃないんですけど…そんなにたくさん持って行く人はいないもので……」
「あぁそうですか。でも、俺はスライム狩りが得意なんでこれくらいはどうにかなりますから。じゃ、お借りしますね~」
面倒なんで、サクっとDELSONに収納して持って行こう。
多少は目立つけど、低容量のマジックバックなんて物もそこそこ普及してるって聞いてるから大丈夫だろう。
できるだけ楽したいからね。
そして、俺は森へと向うつもりだったんだけど……。
まだ、昼飯を食ってねぇや。街でも散策しながら買い食いでもしよう~っと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます