第8話・試験の対策をしょう


爺のメモに少々げんなりしたあと、俺は今回の耐久試験のために対策をたて始めた。

いくら簡単なクエストとは言え、万全に対策しないとあの爺さんに何を言われるかわらない。

そう思って、俺はDELSONの取説を読み始めた。

ちなみになんだけど、取説はダストケースにしっかり保管してあったんだよね。


さて、遅蒔きながらだが、ここでDELSONの機能について説明しておこう。

「機能」とは簡単に言うと、よくある「スキル」とほぼ同じモノと思ってもらってかまわない。

だた、例外もあるが、距離制限があって俺がDELSONの3m以内に居ないと使えない。

その例外というのがデフォルトで俺自身に付いていた「DELSON召還」だ。

この機能だけは距離無制限で使える。


そして、DELSONの機能の最大の特徴と言えば、「紐付け」出来る事だ。

個別の「機能」を「紐付け」して新しい「機能」として使えるようになる。

しかも作動には「能動的作動(アクティブモード)」「受動的作動(パッシブモード)」「常時作動(フルタイムモード)」の三種類から選べるという優れモノ。


で、今回は「オートマッピング機能」「周辺走査機能」「索敵機能」を紐付けして作動してみた。

これで、ゲームによくあるレーダーに近いモノになるはずだ。

一応これを「レーダー機能」と名付け、起動してみた。


視界の左上にゲームによくある「レーダー」の画面が現れた。

拡大して使い勝手を確認する。

レーダー自体はデフォルトで周囲200mほどを表示、そして周囲100mほどの範囲で「オートマッピング機能」が働いて地図を描き出している。

レーダー上には「青色の点」がいくつか表示されている。

たぶん、この青い点が動物だったりスライムだったりするんだろう。

脅威度は青色が黄色や赤になるって感じかな。


「とりあえずは、使えそうかな」


あとは時間を掛けて改良していけばイイや。


それから、俺はいろいろと思いつく限りの機能を紐付けしていった。

いつ何時、これが役に立つとも限らないからね。


ちなみに、紐付けして作った機能はレシピとして登録される。

これなら、改良する時にも楽になりそうだ。

つくづく至れり尽くせりの掃除機だね。


さて、「機能」にもいろいろあるんだけれど、なぞの「機能」もいくつかあった。

その最たるモノが、「地属性機能」「水属性機能」「火属性機能」「風属性機能」「闇属性機能」「光属性機能」って機能だ。


ヘイゼル爺さんの話によると、この世界の魔法には属性があって、それが「地」「水」「火」「風」「闇」「光」らしい。

そして、それぞれの属性を司る神様もいて、その下には

それぞれの眷属もいるんだとか。

まぁ、ここは異世界だから、神様もいるのはしかたないんだが、少々ややこしい。

6人もいてケンカとかしないのか心配だ。


で、この各属性の機能なんだけど、使い方がちっともわからない。

取説にも「その属性を返す機能」としか書いてない。

適当に起動したけど、何も起きない。

まったくの謎機能。


もしかしてこれって、俺に付いてたら魔法とか使えてたんじゃねぇの?


なんて事を疑いたくなる。

DELSONさん、なんでもかんでも持ってき過ぎなんじゃないのかねぇ~。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る