2/19 読まれることの奇跡。

 人の子ですので、書いたものがなかなか読まれないとなるとやはりそれなりに凹みます。

 

 凹むなぁ、ああ凹むなぁ凹むなぁ……と五七五のリズムでくよくよしたり、とりあえずtwitterで宣伝してみたり、やるべきことはやったのちにまた凹んだり(大体twitterの宣伝ってあるか無いかの効果しかありませんしねえ。何もしないよりは全然マシっていう効果があるだけ良い方ですよ)、そんな風にグルグルした後に「……でもこれだけPVが回ってるということは何人かの方が目を通して下さってるのは確実なんだよな」「どこの誰とも知らない奴が書いた文章を読んでくださってる人がいてくださるだけありがたいじゃないか」と開き直るところまでがルーティンになっております。

 

 別エッセイでも言ってますが、結局開き直るしかないですね。ハイ。


 で、何を開き直ってるかと言いますとノベプラさんの方の成績がなかなか振るわない為ですね。それでも全話読んでくださった方が三人はいらっしゃる計算になるPVを、折り返し地点の手前で獲得できたので、変なものばかり書いてる者としては立派な成績ですよ。そういうことにしておこう。

 

 

 しかし、早くカクヨムで新作の小説を公開できるようになりたいですね。

 pixivさんでしか公開できない二次創作や、別のところで公開する予定の小説は少しずつ書けるようになってきましたが、カクヨムで目立った動きがないのは辛い。何より私が一番つらい。

 停滞してないアカウントにみせるためこうして日記を更新しまくってますが、日記ばっかりだとやっぱり寂しいのですよ。

 とはいえ、ネタはあるのに書けるところまで形がみえてこないのがもどかしいものです。



・本の話……

 先日まで、谷崎由依『遠の眠りの』という小説を読んでおりました。


 昭和初期から戦争が激しくなるまで、人絹景気に沸き上がる福井県にあった百貨店の少女歌劇団を題材にした、旧来の生活にどうしても馴染めず家を飛び出しやがて歌劇団の脚本を書くようになる農村育ちの少女の人生を縦糸、新しい生き方を希求する女性や海を渡って福井の土地にやってきた難民の物語を横糸に織り上げたような小説でした。


 本が好きでやがてものを書くようになる少女、その上少女歌劇団! おまけに戦前! ……と、好きな要素がモリモリであったために興味を持って読んだ小説でしたが、そういった要素から連想させられる物語とはちがったわけですよ。なにせ主要人物に、本当は少年が演じている娘役の花形女優というキャラクターが出てきますので(しかし、要素だけぬきとると女装して女の園に潜入する系のラノベみたいだな……)。

 この少年のキャラクターがよくできていた為に、実在した百貨店や少女歌劇団、そして北陸の農村の厳しい生活や、羽二重から人絹にの景気に沸きかえりつつも労働運動も激しくなった福井県の地理歴史を扱った小説や、女性の地位が著しく低かった時代に本を読むことや書くことで自立して生きようとした少女の小説としてだけでなく、日本海から彼方の大陸に目を向けた幻想性も加味されて、いい意味で軽やかな小説になっていたところが大層魅力的でした。よい小説でしたよ……。


 作者の谷崎さんは、南部から北部へと逃げつづける黒人奴隷女性の足取りをホラー小説に近い幻想性を用いて描いた小説『地下鉄道』の訳も手掛けられていたそうですが、作品の構成などに通底するものを感じました。


 ――うーん、ヘッタクソな感想文だな……。本の感想を書くのは本当に難しいです。

 

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