訳がわからないよ?

 朝、保健室で本田先輩から、お姉ちゃんが僕の悪口を言っていた事を知り、僕はもの凄くショックを受けていた。


 品川さんが言うには、まるで高校の入試の時間に3時間も遅れてしまい、試験が受けられ無くなってしまった人の絶望した顔見たいだと言われてしまった…っていうか、何だよそれ!? もっと他の言い方は無いのかよ!? 例えが長すぎるんだよ!! もっと他の表現をしろよ!!何だよ、3時間って!!


 品川さんや、他のクラスメイトに心配されながらも何とか、今日の学校の授業を乗り越え、今は帰宅中だ。品川さんが心配だから一緒に帰ろうと誘ってくれたが、一人で考え事をしていたかったので、断らせて貰った。


 死にたい気持ちになりながらも何とか家に帰って来た。


「あっ………良弥…お帰り……」


 お姉ちゃんに嫌われてた事のショックがデカすぎるのか? お姉ちゃんの幻覚が見える…ってそんな訳無いか…さすがの僕でも分かる…これは実物のお姉ちゃんだ… だって…お姉ちゃん僕の事が嫌すぎて今にも泣きそうな顔になってるし、絶望した顔になってるもんな…


「本田先輩から聞いた…」


「…っ…良弥……ごめんなさいね…」


「そんな…気安く名前を呼ば無いでくれよ…辛いだけだ…」


「…っ…!! ご…ごめんなさい…で…でも私はびっくりしたわよ…ま…まさかそんな風に良弥に嫌われてたなんて…」


「それを言うなら僕もだよ…お姉ちゃんに僕、嫌われててさ…って…ん?…ん?」


「え…?」


 ん? いや…ん? いや…え? ど…どう言う事? えーっと…今…お姉ちゃん何て言ったんだ?


 良弥に嫌われてた? は?何言ってんだ? この姉は…僕がお姉ちゃんを嫌う訳無いでしょ…


「い…いや…お姉ちゃん…僕が…お姉ちゃんを嫌う訳無いよ…お姉ちゃんが僕を嫌ってるんだろ?」


「な…何を言ってるの!? わ…私がりょ…良ちゃんを嫌う!? そんな訳無いでしょ!! この私が!!良ちゃんを嫌う訳無いでしょう!! あなた私を舐めてるの!?」


ん? いや…え? ど…どうなってるんだ? 僕はお姉ちゃんに嫌われてるんだ…よな…? でも違うって… 何かお姉ちゃん涙目になってるし、いつのまにか、お姉ちゃんが僕を呼ぶ呼び方も変わってるし……何が何だか…わからない…


「わ…私が良弥を嫌ってるって…一体…どこから聞いたのよ!!」 


あっ…呼び方…戻った… 良ちゃんのままで良いのにな〜 じゃ無くて!!


「ほ…本田先輩だよ! 本田先輩にお姉ちゃんが僕を嫌ってるって聞いたんだ!!」


「え!? そ…それ本当なの!? ちょっと待って!! 私も本田君から良弥に嫌われてるって聞いたんだけど…!!」


 いや…え… いや…もう何がどうなってるんだよ〜!!






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