副会長?

 僕とお姉ちゃんは学校の玄関で別れると、上靴に履き替える。それにしても朝から、美人なお姉ちゃんと一緒に学校へ登校できるって僕は何て幸せ者なのだろうか。 僕は自分のクラスに歩を進める。自分のクラスに着くと自分の席に座る。さっきお姉ちゃんには友達はいる的な話をしたが、嘘だ。本当は友達何ていない。僕は友達は欲しいが、僕と喋りたがる人なんていない。僕の趣味はお姉ちゃんを1日中舐め回す様に見ることもそうだが、小説も結構読む。入学したての時は、席が近い人と小説の話をする事によってある程度仲良くする事ができたと思ったのだが、僕の趣味はお姉ちゃんを1日中舐め回す様に見る事も趣味と話した瞬間に、相手に距離を置かれた。喋らなくなった。相手が僕と仲良くする気が無いのなら、こっちだって仲良くしようとは思わない。そんな訳で今日も、朝の休み時間は寝た振りをする。

 午前の授業が全て終わり、今は昼休みの時間だ。僕はお母さんが作ってくれた弁当を持ち、そそくさと教室から出て行く。僕は屋上に向かう。屋上は人があまり来ないので、友達がいない僕にとってはありがたい場所だった。教室とかだと皆クラスの人と食べてて、クラスに浮いてる僕は息が詰まりそうになるもんね。 屋上に着くと僕は適当に腰掛ける。僕が弁当を食べていると、3年生の男子生徒が屋上へとやってきた。僕がすぐに3年生だとわかった理由はそれは上靴の色だ。僕達1年生の上靴の色は青色、2年生は緑色、3年生は赤色だ。屋上へとやってきた男子生徒が履いている上靴の色は赤色なので3年生だという事がわかる。お姉ちゃんと同い年の人だ。男子生徒の容姿は長身でモデル並みのスタイルをした男子だ。髪型は、今流行りの韓流風の髪型だ。名前は何ていうのかわからない。上級生だし当たり前か。その男子生徒は僕の存在に気づくと目を見開いていた。なんだ?僕の顔がそんなに面白いか?それにしてもこの男子、顔がえらく引きつってるな。せっかくのイケメンの顔が台無しだぞ。

「な、なぁ君、今日生徒会長の荒井愛梨さんと一緒に登校してきたよな?」

イケメン男子生徒は僕に近づくなり、そう話掛けてきた。僕は間抜けな声を出す。

「はい?」

「きょ、今日の朝、俺は確かに見たんだ! 君が生徒会長の荒井さんと一緒に仲良さそうに話ながら校門に入って行く所を!! 俺は副会長だからな! 仕事で朝早くに学校に来てたんだよ!!自分の仕事が終わって自分の教室に行こうとした時、たまたま、窓越しに君と生徒会長が、仲良さそうに一緒に登校している所を見たんだ!! 君と生徒会長の関係は一体何だ?ま、まさか会長のか、彼氏か?」

イケメン男子生徒は、興奮気味に僕に話した。ってかこの人、副会長だったのか… 前にお姉ちゃんが今日は副会長を振ったって言ってたなー 恐らくこの人はお姉ちゃんに振られた張本人なんだろう。そうか、この人は僕がお姉ちゃんの彼氏だと思っていて僕に妬いてるんだ。全く、男の嫉妬は見苦しいな まーでも僕も、もし、副会長の立場だったら間違いなく、僕はお姉ちゃんの彼氏だと思われる人を殴りに行ってるだろうな。うん 僕は副会長相手に冷静に話す。

「副会長落ち着いてください、僕は生徒会長と彼氏、彼女の関係では無いです 僕達は姉弟です」

「な、何!? そ、それは本当なのか? 信じられんな か、会長にまさか弟がいたとはな」

イケメンな副会長は驚いていた。僕達は姉弟だという事を打ち明けたのは、僕が高校に入ってから話したのは、これが初めてだろう。だって、それを話すような相手 高校にはいないし 副会長は何か考えてるような仕草をすると、何か思いついたのか、パッと顔を上げて僕の方を見る。

「そ、そうだ、君、会長の弟なら家に帰った時にでも会長にこれを渡しておいてくれないか?僕はもともと久しぶりに屋上の景色でも見て、受験の疲れを癒そうと思って屋上に来たけど、こんな所で会長の弟に会えるなら、これを持ってきて正解だった」

そう言って、イケメン副会長は僕にお姉ちゃん宛の手紙を差し出してきた。これは、ラブレターか何かだろうか?

「別に良いですけど」

僕はイケメン副会長の手紙を受け取る。ラブレターだったらどうするんだって? 大丈夫、お姉ちゃんはラブレターを渡されても、僕と言う弟がいるからラブレターを読んでも何も動じないはず!! …何か自分が痛い奴のように思えてきた。

 こうして、僕の昼休みは終わりを迎える。そういえば、副会長の名前何て言うんだ?








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