ハーレムに疲れた最強魔王は異世界で出来損ないのレッテルを貼られた生徒の教師になる

ウィルキル

プロローグ



 此処は魔族が暮らす国、その主である魔王は今日も今日とて執務に公務にと忙しい日々を送っている。魔族が支配する頂点に君臨するは魔王モルダーディレイ、黒い髪に黒い鎧吸い込まれそうな青色の瞳を鋭くして苛ついていた。「まだかまだ勇者は来ないのか!」

魔王が自室で苛立ち覚えるに連れ周りの空気がビリビリと震える。


魔王モルダーディレイは家臣呼びつける。「シアナ!シアナ! 居るか」すると魔王の自室に入る白竜族が一人。白色の角にキラキラと輝く白銀の髪、今にも溶けてしまいそうな白い肌スラリとした背恰好、獲物を狙うかのよう金色の瞳、水色の龍をあしらった黒い帯に青い着物からはこぼれ落ちそうな胸がチラチラと覗いている。「此処におりまする魔王様」

 ※※※ ※※※ ※※※ 


「シアナよ勇者はまだか俺は待つのに飽きたぞ!毎日執務に公務、もう耐えられん。」「魔王様なりませぬ!魔王様には大事なお仕事がございましょう」


「だがな~シアナ俺もそうは毎日世継ぎを作るのに頑張っていては俺が死んでしまうぞ」大事です特別に魔界医に作らせた元気になる元ですと着物の袖から小さなどろっとした黒い液体が入ったビンを取り出しニコニコしながら魔王に勧める。


「さぁ魔王様、グイと飲みましょうね~魔王様フフフこれでしばらく元気になりますよさあさあ」「俺は元気だシアナ」魔王モルダーディレイの顔が引きつりながら椅子から立ち上がり後ろに下がる。

「要らない嫌めろ来るな!シアナ!何年も俺は毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日百人以上——相手させられる!


 仕事をしていても俺の股に居るし寝ていても居るし、たまに居なくなるがと魔王は肩をプルプルと震わしながら「も~う俺は限界なんだー!」

 魔王モルダーディレイは心からの叫び声をあげるのだった。


 ※※※ ※※※ ※※※ 


「はぁ~仕方がありません今日は休ませてあげます。魔王様が死んでは困りますから」仕方が無いと言う顔で魔王の自室を去るシアナ。バッタンとドアが閉まる。

 は~と魔王の大きなため息が漏れる。このままでは搾り取られて殺されると思う魔王。魔王は腕を組み首を傾げ「俺の妾達は俺を種馬としか見てないのか?」

 奴に相談するかと魔王は自室を出る。今は地下へと向かっている途中でクイーンサキュバスの一人に遭遇してしまう。

「どうしたのかな?ま、お、う、さ、ま」

あ~今は急いでいるから後にしろと魔王モルダーディレイはクイーンサキュバスに手をかざしスリープと唱えるとクイーンサキュバスは眠ってしまった。


 ※※※ ※※※ ※※※ 


 コンコンコンコンと地下に響くノック音、居るかネクサスと呼びかける

「いないのか?……」仕方ないと後ろを振り向くとそこには黒いローブで体全体を覆い隠し白いお面で顔を隠したが魔導士が忽然こつぜんと現れた。

 そうネクサスである。


 ギャ——と魔王モルダーディレイは突然目の前にあられたネクサスを見て驚く。

 今度はきゃ——とネクサスは 魔王が悲鳴を上げたので驚く。


な~んだ、魔王様じゃないですかと先に正気戻ったのはネクサスだった。

「びっくりさせないでくださいよ。」「それはこちらのセリフだ!」「所で私の部屋の前で何してるんですか?」



 じつは―———

ふんふん、成程と頷きながら聞くネクサス「それで何処かに逃げたいと魔王様はおっしゃれる、このままでは魔王様のお妾様に殺されると魔王様はおっしゃれる」「そうだ、だからこうして頭を悩ませている。逃げたところで四天王や妾達に見つかるのが落ちだ、知恵を貸してくれ。ネクサス魔界随一の女魔導士よ。」仕方ないですねと眉を下げながら言う


 ※※※ ※※※ ※※※ 



「じつは次元魔法と言うものがあるんですが私一人では魔力が足りないのですそこで二人分の魔力を魔王様は出してもらいます私は次元魔法で忙しいので」

 手を前に出しスットプのポーズをする魔王モルダーディレイ。「まてお前も行くのか」「はい」「何故だネクサス?」「何故そんな事決まっているじゃないですか魔王様、異世界に行きたいからですよ」さも当然の事の事に言うネクサス


 「その間にそのお面とローブどうにかしろじゃないとただの不審者だぞネクサス」

「では恥ずかしいですが素顔で行きますか」とネクサスはお面とローブを突然外すとすらりとした細めの体形で、スッキリとした若葉色のショートカットから時々覗かせる切れ長の眼は氷の様に冷たい。


「それが素顔か綺麗じゃないか何で隠す」


 それはと苦虫を嚙み潰したような顔で話すネクサス「それは気持ち悪い視線で見てくる奴らがいるからです」「そうか」何とも言えない空気を破って

に魔力を込めるするとネクサス何か呪文を唱え始める。

 繋げ《つなげ》繋げ《つなげ》異界の柱とつぶやくとの光の柱が魔王とネクサスを包むとその後魔王とネクサスは魔王城から消えた。








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