12月に振られるなんて
クースケ
第1話もう、生きてられない
私はただ ボーっと、景色を眺めていた。
のどかな風景を背にし新たな風景を車窓に移す
広い敷地の畑、住宅、様々な景色が移り変わっていた。
本当はこういう景色を楽しむのだろう。
だが、とうの私は抜け殻のようになっていた。
3日前
クリスマスを一緒に過ごす林 唐人のことを考えていた。
幸せだった。
唐人とは、大学の飲み会で
メンバーが足りないからと誘われ
しぶしぶ行った時に知り合った。
陽キャラに混ざれない私は、同じ雰囲気の唐人に話しかけた。
そしたら、昔の彼女に振られた話をした。
同じ境遇だと知った私は
その時から彼にひかれ始めた。
じゃあ、もう過去の人は忘れて未来を二人でみないか?この言葉が、付き合うきっかけだった。
思い浮かぶのは、
唐人の笑顔、ふざける顔、真顔
(なんで?なんで? 意味わからない。)
どこが嫌になったのと何度きいても、
君は悪くはないとか 僕にはもったいないくらい
そんなことしか言わない。
(何、それ?意味わかんない。ていのいい、断り文句)
思いだせばだすほど、涙がとまらない。あれから、何回も泣いたはずなのに。
「ねぇ、あのお姉さん。泣いているよ。」「しっ、ダメよ。指さしちゃ」
周りの声は、聞こえてても悲しさがはねかえす。
ハンカチをだし、両手の平でハンカチごと顔を包み込む。
次は矢吉良儀~。矢吉良儀~。車内アナウンスが、流れる。
そうだ。降りなきゃ。
車内は、まばらとはいえ人前で、泣くなんて。そんな勇気私にあったなんて。
そこから、さらにバスに乗って1時間は経っただろうか
ますます、人通りはとだえ辺鄙なところで、バスを降りる。
そう、行き先はあってないようなもの。
なんだか、もう生きる気力がなくなった。
借金地獄なわけでもないし、もっと私よりもつらい人いるだろう。でもなんだか。そう息してるのも、喋るのも、歩くのも何をするのもしんどい。
普通に、してたことができない。
未来を二人でみないかって言ってくれたひとに振られて、未来に進めない。
唐人と別れてから、パソコンで樹海を調べてここに決めた。
ここだったら、戻ってこれない。
あてもなく、歩き回る。どこも、ジャングルみたいに木々が生い茂っている。
疲れた。もう、そろそろ20年の時を止めよう。
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