第11話 私も・・・・

「・・・・・あの本気なんですよね?」

「あぁ。年齢で引け目を感じでいたんだけど会社の後輩に色々とお節介されてね。自分の気持ちに素直になることに決めたんだよ。嫌なら変に気を遣うことも無いから、今言ったことは忘れてくれ」


やっぱり好意を持ってくれてたとしても付き合うとなると話は別なのかもしれないしな。


「・・・・最近、相良さんとご一緒してるとお酒飲んだりするだけじゃなくて一緒に何処か遊びに行きたいなとか、お買い物とか映画とかにも行きたいなとか、もっと相良さんの事を知りたいなと思う様になってたんです。それにさっき"私に会いたかった"って言ってもらって凄く嬉しかったんです。」

「それって・・・」

「私からもお願いします。相良さんの彼女にして下さい」


上目使いで俺を見つめ恥ずかしそうに言う彼女。


「よろこんで!!!」


俺は彼女の手を引き寄せ強く抱きしめた。


「あっ」


そしてそのまま熱い口づけを交わした。 


「美香 好きだよ」

「私もです。洋さん」


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その後、"今晩は一緒に居たい"という美香の願いを聞いて俺は美香の家に泊まった。そして何度目かのキスの後、俺達は1つとなり美香の初めてを貰った。


迎えた朝。もちろん今回はお互い記憶もちゃんとある。

気持ちよさそうに横で眠る女性は、見ず知らずの女性ではなく俺の可愛い恋人だ。


男として、一人の大人としてこの先もきちんと責任は取るつもりだ。

彼女の父親である博嗣さんにもご挨拶に伺わなきゃだし、俺の両親にも美香を紹介しなくちゃな。

やることは沢山ある。



そして、とりあえず今は・・・・・


「み 美香ちゃん早く起きないと!!」

「ふぇ あ、おはようございます。ひろしさん♡」

「うん おはよう♡ じゃなくて!今日って平日!仕事だよ!」

「・・・・今何時ってもう7時!? は 早く支度しなくちゃ!!」

「とりあえず、俺は一旦家に帰るから、後でまた連絡するね!」

「は はい気を付けて! ・・・あ あの連絡待ってますね♪」

「あぁ!」


可愛いな俺の彼女♪って和んでる余裕はない!

俺は荷物を手に取ると急いで自宅に向かった。美香の家からは走って15分弱。

多少は息切れしたけどジムで鍛えててよかったと今更ながらに思ったわ。

帰宅後はシャワーを浴び身支度を整えて何とか8時前には駅に向かって家を出ることが出来た。普段は始業の30分前には会社に行ってるけど、今日は始業時間ギリギリになりそうだ。

そして電車に乗り一息ついたところで、美香にメールを送った。


[今、電車に乗りました。何とか遅刻せずに済みそうです。美香は大丈夫?]

少し待っていると返信が来た。

[はい。職場の高校は歩いて10分もかかりませんし、今から向かうところです]

[よかった。後その・・・体の方は大丈夫か?]

[ちょっとまだ痛いですが、大丈夫です]

[今朝はゆっくり話しが出来なかったし、今晩良かったら顔出すけど大丈夫?]

[はい!待ってます♡]

[OK! じゃあまた今晩]


数行のやり取りだけど、何だか幸せな気分になれた気がする。


あ、会社に着いたら西村ちゃんにお礼は言っておかないとな。

彼女の後押しが無かったら多分告白はしてなかっただろうしな。

そんなことを考えながら電車を降り会社に向かった。


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<株式会社ライズ 企画3課 ~始業前~>


「あ、おはようございます相良さん」

「ん?おぅ相原じゃん出張から帰ってきたんだ」

「ええ 何とか契約取れそうです」


相原 広木。企画3課立ち上げメンバの1人で第1グループの課長で中々のやり手だ。役職は同じだが、入社当時俺が面倒見てやってたこともあって色々と今でも俺を頼ってくれる可愛い後輩だ。


「そうか、また忙しくなるな。でも出張とか言いつつ、嫁さんと一緒だったんだから半分旅行じゃないかよ」

「ま まぁそうですけど、美樹は一応うちの部署のデザイナーで打合せにも参加してるんですから仕事には違いないですよ」

「冗談だよw まぁ仕事があるのはいいことだけど、子供も小さいんだしあまり残業とかしないようにしろよ」


こいつは放っておくと徹夜当然で仕事とかしちまうからな。

まぁ結婚して子供も出来て落ち着きはしたけど、根底はそんなに変わらないだろうし強めに言っておかないとな。


「はい。ありがとうございます。気を付けます。・・・・ところで相良さん。何かいいことありました?」

「ん?なんでだ?」

「何だか顔つきが穏やかというか幸せ感があふれてますよ」

「マジか!ま まぁ色々な・・・・俺にもあるんだよ」

「はぁ」


中々にこいつ・・・感が鋭いな・・・


---------

「あ、おはようございます相良課長」

「おはよう。そして、ありがとう西村ちゃん」

「は?」

「いやね。昨日小島さんに思いを伝えて正式に付き合うことになったんだよ。多分、西村ちゃんの後押しがなかった俺は告白せず、むしろ距離を置く道を選んでたと思うんだ。だから西村ちゃんには感謝してる。ありがとう」

「え~と。。。あらためて言われると照れますね。とりあえずはおめでとうございます。

 でも美香は私の親友でもあるんです。前にも言いましたけど、大切にしてあげて下さいね。泣かせるようなことしたら色々とネットに拡散しますからね」

「・・もちろん泣かせるようなことはしないけど、拡散って何!俺何されるの?」

「それはひ・み・つ♪」


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<川野辺高校 ~1限前のホームルーム~>


「え~と 田中先生は会議に出ているので今日は私が連絡事項だけ。期末試験の結果も全て戻ってきたと思うので、補習の連絡を受けたものは指定の期日補習授業に出ること。課題クリアしないと進級にも関わるからね。

 後、補習のないものも来年は3年生。受験もすぐです将来を考えて勉強もきちんとするようにしてください。連絡・周知事項はこれくらいだけど、他何かあるか?」

「先生!何か嬉しいこととかありました?」

「ふぇ?な なんで?」

「え?だって、さっきからずっとニコニコしてますよ先生」

「そ そうか? 気のせいだろ・・・じゃ他何もなければ終わるぞ!」


そんなに嬉しそうな顔してたのかな?・・・・でも確かにうれしいかも♪


「ねぇケンちゃん」

「ん?なんだ楓」

「例の彼氏に告白でもされたのかな?」

「う~んどうだろう。わかるのか?」

「女の感ってやつだけどね」


意外と当たるんだよなこういう感って


「確かに田辺君に告白された後の楓と似てたかも♪」


と村田さん。あぁ確かに・・・あの時ニヤニヤしてたな楓。


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あとがき


最初は本稿の前半部分で完結させる予定だったのですが、二人の日常を描いてるのもなんだか楽しくなってきたので、もう少し不定期で掲載予定です。

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