第5話 再会

とある平日の昼下がり


[ご無沙汰しています。小島です。私の事覚えていますか?よろしければ、この間の居酒屋でご一緒出来ればと思うのですが、いかがでしょうか? 日時は相良さんに合わせますのでお返事いただけると嬉しいです♡]


「・・・・・・・西村ちゃん!!!」

「何ですか。相良さん。わたしは相良さんと違って、まだ若いんですからそんな大声で話さなくても聞こえますよ」

「いや 俺もまだそんな耳遠くないし!というか来たんだよ。お誘いのメールが!」

「へぇ良かったじゃないですか」

(というか美香にメール送れって言ってから1週間近く経ったんだけど・・)

「あぁ、やっぱりからかわれてるとかじゃなかったんだな」

(まだ、そんなとこ気にしてたんですか・・・)

「で、どうしたらいいかな?」

「どうしたらって私は相良さんの秘書じゃないんですからスケジュールとか知りませんよ。都合のいい日時を返信すればいいんじゃないですか?」

「そ そうだよな。すまん。何だか気が動転して・・・」

(大丈夫かこのおっさんは・・・何だかぼーっとしてるし)


そうか~あの子にまた会えるのか~

化粧っ気のない子だったけど、気さくな感じで可愛かったよな。

普通に生活してたら俺みたいなのには、もう一生縁が無いような子だし一緒に酒飲んでも楽しそうだ。

ただ、あんな可愛い子には彼氏とかいるはず。あくまでも彼女が深酔いしないためのストッパー兼飲み友達なんだ。

変に勘違いとかしないで大人な感じで接しないとな。


「相良さん 何だかキモイです。ニヤニヤしてないで早く仕事してください!」

「お おぅ・・・・俺ニヤニヤしてた?」

「はい キモイです」


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翌日


[メッセージありがとうございます。もちろん覚えていますよ。飲みも大歓迎です。僕も飲むのは好きですからね。来週の木曜日、外回りの後直帰するので早く上がれるんです。

16:00以降だったら時間の都合つけられますが小島さんは何時ころからでよろしいですか?土日とかの方がよろしいでしょうか?]


「梨花ちゃん 梨花ちゃん返事きたよ!!」


私は興奮気味で親友の梨花に電話をし報告していた。


「はい はい。カッコいいおじ様だっけ?よかったじゃない」

(美香もリアクションは相良さんと同じレベルだな・・・)

「うん!梨花ちゃんが誘ってみたらって言ってくれたおかげだよ。どうしよう。何着てけばいいのかな。平日って学校だからあんまりおしゃれとかも出来ないし」

「そっか。美香って教師だもんね。あんまり派手な服とか着れないか」

「うん。でも私の場合それ以前というか、家が学校に近いこともあって結構ラフなカッコで出勤してるんだよね。学校ではジャージか白衣着てるし・・・・」

「まぁ学生時代から、そういうとこあったもんね。というか、美香ってちゃんとした服もってるの?」

(そういえば学生時代もあんまりおしゃれしてるの見たことが無い)

「最近は・・・・あんまり服とか買ってないかな・・・」

(やっぱりか・・・)

「よし!美香土曜日に服を買いに行くよ!私がコーディネイトしてあげる!」

「え!良いの?この間、土日は婚約者の人と会うことが多いって」

「1日くらい平気よ。それに結婚したらずっと一緒なんだから」

「そ そうだよね、、、うん じゃぁお願いします」


ということで、土曜日は梨花ちゃんと市内に私の服を買いに出かけた。

普段ファストショップ系の服で済ませている私としてはブランド系の服とかただただ金額に驚くばかりだったけど、確かにデザインや質感は高級感を感じられたりした。梨花が選んでくれたのはブラウスにスカートのシンプルな組み合わせの服だったけど梨花曰く"学校にも着てくわけだから少し落ち着いた大人の女性"を演出してみたって事らしい。

相良さんにも"女子高生じゃないよね"とか言われちゃったし、少しは大人っぽく見えるかな・・・


そして週があけて約束の木曜日。

梨花ちゃんのコーディネートのままに滅多にしないお化粧をして学校に出かけた。私はクラスの副担任だけど、この日は主担任の田中先生が研修で不在ということでショートホームルームに参加した。

私は普通のつもりだったけど、何だか教室がざわつき"先生!質問!今日はデートですか"

とか言われてしまった・・・教師始めて初かも。

ちょっと照れたけどなんか嬉しいな。

これからはおしゃれにももう少し気を遣うかな。


そして、授業も終わり放課後。

相良さんには

[私も16:00過ぎには仕事を上がれるので16:30にお店でお願いします]

とメールを送っていた。

6時限目の担当授業が終わった後、明日の授業の準備と雑務を終えて、16:00過ぎに職員室を出て居酒屋に向かった。

何だか凄く緊張する・・・会ったら最初何を話しすればいいんだろ。


居酒屋が見えてきた。と入り口が開き、相良さんが手を振ってくれた。

何だろう。会うのは2回目だし、そんなに親しく話をしたわけでもないのに、会うのが凄く嬉しいし胸が高鳴る。

私も手を振り返し、小走りに居酒屋で待つ相良さんのもとへの向かった。


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恥ずかしいことにしっかり担任クラスの子に目撃されてたみたいだけどね。


「なぁ楓 あれってやっぱりデートだよな」

「そうだね。中々渋いおじ様タイプの人だったね」









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