始業式 そして彼方の入学
私、望月桜空は中学3年生だ。いや、なったばかりではいるけれど。よくもまあ私はここまで生きてこれたなと思う。
「桜空、どうした暗い顔して」
「ナンデモナイ」
「嘘つけ!なんかあるだろーが」
こいつは私の幼馴染の蘭。イケメンかそうじゃないかで言われたら絶対にイケメンに分類される類だ。性格おかんであるがそこは長所と捉えよう。
「今日早く帰る予定だったのに入学式に出席しないといけないの地獄でしょ」
「いや、それ皆同じだわ」
「蘭、私入学式1回も出てないわ。」
「えっ!?」
「だって1年生の最初から休んでたもの。」
「あーあの長期で休んでた時な」
「そう」
それのせいでイジメの対象になったんだけどね!!!
学校1のイケメン(と言われてる)蘭と普通に話している普通の女子である以上、別の女子達の嫉妬が痛い。
「望月さァんちょっといぃ〜?」
うわっきたよ嫉妬に狂った馬鹿女が。
「なんです?」
「ちょっとォこっちに来てぇ」
めんどくさ!それでも素直に従っていると
「あんたさァなんで蘭様と一緒にいるのよ!」
「……将来の兄妹と一緒にいてはいけないんですか?」
「はぁ!?」
間違ってはいない。何故なら私の兄と蘭の姉は婚約をしているからだ。
「……私の兄と蘭の姉は婚約者ですよ?」
「!!???」
よし勝った。
「それでは、失礼します」
口をパクパクさせているその女子をしり目に私は教室に戻った。
その2時間後、蘭と(何故か)私は1年生に囲まれた。式が終わった途端に元気すぎはしないか……?
「桜空姉ぇ!」
「彼方?」
今年入学してきた妹、彼方が近くに来る。手を繋いでいる子は仲良くなったんだろうか。
「彼方、その子はお友達?」
「うん!統星君って言うんだ!」
「も……望月さん!?」
顔真っ赤にしている統星くん。それを気に食わないのかムッとした表情の蘭は
「桜空、教室戻ろ」
と手を引いて教室に私を引きづって行った。
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