クリスマスですね?.....爆発しろ。〜完璧義妹外伝〜
アキノリ@pokkey11.1
番外編
さてクリスマスと言えば。
クリスマスイブとクリスマスの一二月二十四日と二十五日の二種類が有ったりして。
それらの日には毎年の様にウチは華やかに彩ったりする。
そして.....パーティーをする。
我が伊藤家では何をするかと言えば.....クリスマスはコスプレサンタ、そして.....酒、クリプ交換という感じだ。
まあとにかく.....かなり豪勢なのだウチは。
何でクリスマスにそんなに騒がなくちゃいけないのか。
分からないが.....まぁ悪い気はしない。
由紀治さんとかが酒をたんまり飲んで、元気になったりもするから、も有るが。
俺が.....昔、親父と一緒にクリスマスを盛り上げた影響も有る。
そんなクリスマスが来ようとしている今年の12月23日、俺はソファに俺が腰掛けての皆穂と話していた。
皆穂はニコニコしながら話す。
「.....お兄ちゃん。今年のクリスマスはビキニにしようと思うんだけど」
「.....何を言っているんだお前は。寒いだろそれ。って言うか.....馬鹿だろ」
「うん、でもね、胸の谷間でお兄ちゃんを誘惑するのに良いかと思って」
「いや.....あのな.....」
誘惑ってな.....。
美少女がコスプレしているんだからメロメロでしょ、と皆穂は自信満々に手で長い銀髪をなびかせる。
額に手を添えてクソデカ溜息が漏れる俺。
そして.....背後を見る。
背後にはノアが立っていた。
何か悩んでいるが。
「.....ったく、ノア。お前からも何か言ってやれよ」
「.....うーん.....吉くんを誘惑.....うーん.....良いかも」
「.....」
皆んな役に立たない。
ノアが顎に手を添えて真剣に悩んでいる。
俺は.....その様子を見ながらまた盛大に溜息を吐いた。
この家には現在、皆穂とノアと俺が居る。
由紀治さんや母さんは居ない。
俺は皆穂とノアを見る。
「あのな.....年頃の男だぞ俺は。良い加減にしろ。.....怖いんだぞ男は」
「.....うーん。でも好きな人だしね。怖く無いよ。昔から一緒だし」
「.....いや.....好きって直球で言うなよ.....」
少しだけ赤面してしまうやろ。
思いながら.....俺はふと、外を見る。
外は結構、雪が積もった雪化粧だった。
俺は.....その事でニヤッとして立ち上がる。
それから.....ノアと皆穂を見た。
「.....良い考えが有るぞお前ら」
「.....ん?何?お兄ちゃん」
「?」
「.....雪合戦で俺に勝ったら.....ビキニでも何でもしろ。そして俺を誘惑オーケーだ。だけど.....負けたら.....分かるな?それなりに.....色々と聞いてもらうぞ」
その俺の言葉に顔を見合わせる二人。
そして.....頷く。
俺はそれを確認して、よし雪合戦の準備すっか、と言いながら服を取りに行った。
外は猛烈に寒いから準備は必要だ。
☆
「お兄ちゃん鬼は外!お兄ちゃん福はうち!」
「お前!卑怯だぞコラ!しかもそれって節分だろおま!」
「卑怯が私でーすwww」
「この野郎!テメェ!」
草生やすな!
皆穂は雪を丸めるどころか。
そのまま雪をぶっ掛けてくる、皆穂。
所謂、シャベルで、だ。
俺は呆れて堪らず逃げる。
ノアはその皆穂の様子に圧巻されながらも俺に雪玉を打つけていた。
「鬼は外!」
「皆んな.....こ、コノヤロウ!」
俺は即座に雪玉を地面で作る。
そして皆穂の顔面にヒットさせた。
クリーンヒット。
俺はアハハと言いながら皆穂を見る。
皆穂は、ウェ、と言いながら、口に入った!、と言う。
「これこそが男だ」
「いや.....卑怯だよ.....お兄ちゃん顔面って」
「お前が容赦無く俺にぶっ掛けてくるよりかはマシだろ!」
「まぁそうだね、うん」
皆穂は顔に付いた雪を取りながら頷く。
いや、それで納得するなよ!?と俺は思いながら。
ノアにも雪玉を打つける。
でもこれ、何の勝負なのかな?とノアは首を傾げて言う。
「.....まあでも確かにそうだな。点数を設けないと厳しいか?」
「じゃあ点数とか設ける?」
「.....うーん」
と、悩んでいると。
バシッと俺の後頭部に雪玉が打つけられた。
俺は!?と思いながら門から外を見る。
そこに雪玉を持った、ニット帽を被ったマフラーを着けた数人が立っていた。
「.....楽しそうな事をしているね」
「.....おま.....まぁ良いけど」
「混ぜて」
「.....良いよ。.....分かった。.....お前も.....ボッコボコにしてやる。雪玉で、な」
その勝負、受けたと言いながら数人はニヤッと笑う。
そして門の外から何かを取り出す様に持ち上げた。
ヨイショ、と言いながら、だ。
それから俺に思いっきり投げてくる。
ん?
「.....特製雪玉だよ」
「馬鹿かお前!抱える様な雪玉を飛ばすな!.....ギャー!」
数人はフフフと言いながら口角を上げる。
そして俺は数人に投げられた雪玉の下敷きになった。
ひ、卑怯な.....。
思いながら雪が口に入ったので吐き出しながら立ち上がる。
皆穂とノアが手を差し伸ばしてきた。
「ちょっと.....お兄ちゃん大丈夫?」
「.....大丈夫?」
「.....でえじょうぶだぁ。だけど.....数人!お前は許さん!」
俺は思いながら雪を丸める。
それから数人に打つけた。
数人は、やるね、と言いながら丸めた雪玉を打つけてくる。
それを躱しながら俺は雪玉を打つけた。
「お兄ちゃん。加勢するよ」
「おう。じゃあ.....」
と思っていると向こうから誰かやって来た。
よく見ると.....吉武先輩だ。
それから鹿島先輩に小町先輩がやって来て。
俺に対して数人は笑った。
「.....加勢」
「.....お前!ひ、卑怯な!」
「よお。吉。皆穂。ノア。楽しそうだな」
そして雪玉を作る、吉武先輩。
それから俺に対して打つけてから。
高笑いをした。
「.....私達は数人側だから。すまんな」
「俺もだ。すまんな伊藤」
「私も」
そして雪玉がめいいっぱい飛んでくる。
俺はその光景を見ながら.....ノアと皆穂に向く。
それから真剣な顔で言った。
「.....ノア。皆穂。倒すぞ!」
「「お、おー!」」
こっちは女子が二人で男が一人!
だが!
ここまで来たらもうやってやるぜぇ!!!!!
鹿島先輩が雪玉を投げてくる。
豪速球だった。
「卑怯な!」
「フハハ。諦めろ。伊藤。.....俺には勝てんぞ」
ニヤニヤする、鹿島先輩。
そうしていると皆穂が鹿島先輩の背後にいつの間にか回り。
そして首に雪を打ち込んだ。
鹿島先輩が悲鳴を上げる。
「油断大敵です。鹿島先輩」
「ぬう.....伊藤妹。やるな」
すると小町先輩が眼鏡を光らせて。
皆穂の顔に大盛りの雪を付けた。
俺はまさかの事に爆笑する。
だがそうしていると、数人が俺に雪を.....コイツ!
「やったな数人!」
「あはは。油断大敵だよ。吉」
追い掛ける、俺。
そんな感じであっという間に.....その日は過ぎた。
それから.....十二月二十四日を迎え。
俺達は.....考えた結果、パーティーを開く事にした。
☆
「.....お兄ちゃん」
「おい、結局ビキニで誘惑かよ」
クリスマスイブ当日の夜。
目の前にビキニ姿の美女が二人.....じゃねーや三人居る。
ノア、皆穂.....そして吉武先輩だ。
俺と鹿島先輩は少しだけそのビキニ美女達に赤面する。
「ビキニって良いよね。ノア」
「.....うー。でも.....恥ずかしい.....」
「何を言うノア!ハッハッハ!胸の谷間ぐらい恥ずかしがっても意味無いぞ!」
言いつつ仁王立ちするビキニ先輩。
余りにもボヨンボヨン胸が動いているので鹿島先輩も俺も.....赤面しながら俯く。
そんな俺達の背後で由紀治さんは完全に酔っ払っていた。
俺はそれを見ながら苦笑する。
その横では母さんも酔っている。
良いわねぇ、若いって、と言っているから、だ。
俺は頭に手を添えながら盛大に溜息を吐いた。
すると.....そんな感じで居ると.....皆穂達がやって来た奥からビキニでは無いが、ズボンタイプの水着の.....数人がやって来た。
それから.....俺達を不満げに見る。
「.....なんで僕まで」
「.....!?.....グァ!?」
まさかの事に鹿島先輩が声を上げてひっくり返る。
俺もブハッと鼻血が出た。
なんだよコイツ!男だろ!?
男だよな!?
髪結んだポニテに.....ズボンの水着。
しかしそれは女性物.....だが何だコイツ!
顔が色白でまつ毛が長いせいか。
思いっきり美少女に見える。
「数人。すまん。.....美少女コンテストに出ろ。絶対に優勝するって」
「嫌に決まっているだろ。何を言っているんだい君は」
本当に嫌なのか居心地が悪いのか。
モジモジしながら皆穂達を見る、数人。
女性達も見開きながらまさかという感じで数人の全身を見ていた。
それから、良いな、とノアが言う。
え?と反応する、全員。
ってか.....うん、確かにとは言える。
「.....でもその、恥ずかしいんだけど。吉。そんなに見つめられると」
「.....い、いや。すまない。お前が余りにも美少女すぎて.....」
「吉。.....僕は男なんだけど.....」
「.....」
それはそうだが.....なんだろうな、うん。
別の何かに思いっきりハマりそうだ。
思いながら俺は.....赤面で俯く。
まさかの事に本当に驚愕だな.....。
思いながら.....汗をかいた。
数人は胸を隠す様な仕草を取りながら言う。
「.....もう良いかな。僕は.....着替える」
「.....そ、そうだな」
何だか色々と全てが狂ってしまった。
本当に美少女だな.....という感じだが.....うん。
違うんだよな、数人は。
言い聞かせながら.....俺は首を振る。
「取り敢えずは.....うん。パーティーしようか.....」
「そうだね.....」
「.....うん」
圧巻されてしまって物事が進まないので。
取り敢えずは.....うむ。
思いながら.....皆穂達を見る。
皆穂達も着替えてくるね、と去って行った。
「凄いな。数人は」
「.....そうですね。鹿島先輩」
「.....女かと思ったが違うよな.....」
「勿論違います」
でも冗談抜きで女かと思ってしまった。
思いながら俺は.....ケーキを食べる。
煩悩を忘れよう、と考えながら。
すると着替えた姿のノアがやって来た。
「.....吉くん」
「どうした。ノア」
「ケーキだけど.....私のも切ってくれない?」
「.....ああ。それか。切ろうか」
そして全員分を切ってから。
俺はそれを配膳した。
それから皆んなを待つ。
由紀治さんも母さんも先にケーキを食べる。
「.....美味しいわね」
「.....それは皆穂とノアが作った苺ケーキだよ母さん」
「そうなのね。相変わらず美味いわ。お料理がね」
「.....だね」
そして待っていると。
洗面所から吉武先輩、数人、皆穂。
全員がやって来た。
俺はそれを確認するなり、言う。
皆穂が提案した事を、だ。
「プレゼント交換するか?」
「そうだね。みんな準備は良いかな」
「.....多分、大丈夫だろ」
「.....じゃあやろうか」
それから皆んなに話す。
皆んな準備出来ている様だった。
それじゃ、と俺は言葉を発してから。
ランダムな感じでプレゼント交換をした。
「.....で、俺のは.....」
「私のだね」
「.....お前のかよ.....皆穂」
「何ガッカリしているの?お兄ちゃん?」
ハイライトを消すなよ。
兄妹だろ俺達よ。
交換しても意味無くねぇか?
と思ったが.....開けて、開けて、と催促してくる皆穂。
周りを見ると皆んな交換した様だった。
「.....じゃあ開けるか」
「.....私のは.....吉くんのだね」
「.....ああ、お前に当たったのか。ノア」
大切そうに抱える、ノア。
そして.....皆んなを見る。
それから一斉に開ける。
俺のは.....シャーペンだった。
「.....お前.....」
「.....良いでしょ。シャーぺン」
「.....ああ。嬉しいよ」
数人はマフラーだった。
因みにそれは小町先輩の。
吉武先輩は自作ゲームだ。
因みにそれは数人の。
鹿島先輩は漫画本。
因みにそれは吉武先輩の、だ。
そして.....最後にノアは皆穂のが当たった。
皆穂はノアのが当たった。
奇跡と言うべきなのだろうか.....?
俺達も顔を見合わせた。
「.....ノア、アンタのが当たるなんて」
「.....こっちも皆穂ちゃんのが当たるなんて.....」
皆穂とノアは顔を見合わせた。
それからクスクスと笑う。
そして.....開けよっか、と笑い合った。
俺はそれを見ながら.....少しだけ笑みを浮かべる。
ノアと皆穂はそれぞれ開け放つ。
「.....これ.....」
「.....ん?これ」
皆穂のは手袋だった。
そしてのあのも手袋だった。
しかも偶然なのか何なのかメーカーが同じで。
色が違い、色が白と赤だ。
白が皆穂。
そして赤がノア、だ。
俺は驚く。
「.....これじゃ紅白柄.....だわ。全く.....一緒に買いに行った訳でも無いのに.....」
「.....そうだね。あ、あはは」
「.....お前ら趣向が似ているんだな。ハハハ」
俺の笑い声に数人や皆んなも笑う。
ノアと皆穂も苦笑し合って。
それから.....お互いに手袋を嵌めあってそして頷き合って笑みを浮かべた。
これが.....俺達のクリスマスだ。
良い面白いクリスマスだろ?
fin
クリスマスですね?.....爆発しろ。〜完璧義妹外伝〜 アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます