第10話 指切り

俺は10分遅れ、なんとか古宿の東口前にたどり着いた。人が沢山いるのでどこにいるか分からないな。俺は着いた旨を報告し、どこにいるか聞くため電話をする。




Prrrrrrr Prrrrrrr




すると後ろから着信音がなった。俺は後ろか!?とびっくりしながら振り返る。そこには・・天使がいた。




「・・・・・・駿。遅い」




俺はその可憐な姿に、私服に見蕩れてしまい、固まっている。反応がない。俺はどうやら屍のようだ。




「・・・・・・どうしたの駿?聞こえてる?」




「ああ・・・俺はどうやら死んでいたようだ」




「・・・・・・大丈夫?頭おかしくなった?」




頭の心配をされてしまったようだ。だがこの白いワンピースという天使のような衣装に頭をやられたのは事実だ。可愛い。




「大丈夫だ。遅れてすまない」




「・・・・・・楽しみにしてた」




小雪は少しむくれたようにそう言った。俺は申し訳なさを感じながら頭をかいた。




「いやほんとにごめん」




「・・・・・・別にいい。その代わり今日は楽しませて?」




小雪は上目遣いで俺にそう言った。破壊力は抜群だ。俺は心臓を抑え、少し悶える。小雪は不思議そうにしてた。心を落ちつけて、俺は盛大にカッコつけた。




「分かった。小雪にとって最高の一日にしてみせるよ」




すっごい恥ずかしい。俺は少し赤面し、小雪の顔を伺う。いつもの無表情だ。すこし笑ってるように思える。え?俺そんなに滑稽だった?




「・・・・・・約束」




小雪は小指を突き出した。俺はその意図に気付き、小指を出して小雪の小指と絡めた。




「「嘘ついたら針千本飲まーす指切った!」」




俺たちは小指を離した。照れくさいがそろそろ行かないとこの時間帯は混みそうだ。




「じゃあカラオケ行くか」




「・・・・・・うん」

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