すーくんと私、佐々木千絵が出会ったのは、高校生のときだった。

 高校一年生の夏。私は急に学校で倒れた。

 理由はわからない。

 私は健康そのもので、子供のころから病気などしたことがなく、大きな怪我なども、あるいは貧血や日射病などで意識を失って倒れたりしたこともなかったから、私は授業中、いきなり世界が歪んで、そのまま、ぱったりと椅子の上から教室の床の上に倒れこんでしまったときに、あ、私は、このまま死ぬんだ、と思った。

 これから天国に行くんだと思った。

 それくらい、千絵には、なぜ自分が急に意識を失ったりしたのか、その理由がわかっていなかった。


 私(千絵)は病院で目を覚ました。

 そのときには、病室にはお父さんとお母さんがいて、それから、妹の千景もいた。

 みんなは心配そうな顔をして私のことを見つめていた。


 だから私はみんなに心配をかけないようにと思って、にっこりと笑って見せた。

 私の口元には、透明なマスクのようなものがつけられていたので、思ったよりもうまく笑うことができなかったのだけど、みんなは私が笑うのを見て、笑顔になった。だから私は、にっこりと笑ってよかったと思った。


 それから私は、また意識を失った。


 そして次に目覚めると、そこは真っ白な病室だった。(最初に目覚めたところは、あんまりよく覚えていないのだけど、もっと薄暗くて、もっと暗い色をした部屋だったような気がする。あれば手術室だったのだろうか?)


 私はいつの間にか、青と白の高校の制服から、真っ白は病院服に着替えをしていた。

 頭に包帯のようなものを巻いている。

 体がとてもだるく、すごく眠い。(でも、それ以外に普段と違って、違和感を感じるようなところはなかった)


 私は白いベットの上に体を起こした。


 そして、すぐ近くにある大きな窓から、外に広がっている美しい青色の空の風景を見つめた。

 もしかしたら、ここはもうすでに天国なのかもしれない。

 そう思えるくらいに、その風景は美しかった。(普段見ている青色の空よりも、なぜかずっと、美しく見えた)

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