第77話 メリー外出す

 夢の中での設定として親戚である、実在しない親戚「出雲さん」の法事に私が出席するにあたって、何故か猫のメリーを連れてゆくことになった。

 

 動物病院以外の外出は、私の猫になって以来初めてだ。

 出雲家の住所は私の地元と似たような下町にある。3代同居で息子さんが複数いるわりと大きな家族で、古風なの木造の家に住んでいる。

 気さくな雰囲気の家族だ。


 法事といっても故人が世を去ってからずいぶん経ち、悲しみがほぼ癒えてからのことらしい。誰も泣いたりしていなかった。


 メリーをペット用のキャリーバッグから出して、家の中を自由に歩かせて良いことになった。みんな可愛いと喜んでくれたので私も嬉しかった。

 一応法事だし、私まではしゃいでは失礼かもしれない。と自分に言い聞かせていた。


 メリーは好奇心を発揮していろんな部屋に出入りしたが、私から離れ過ぎず迷子になることもなく、無事に帰宅した。


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