第47話 迷走

「病院に行ってから買い物に行こう」

と思っていた。

 気がついたらショッピングモールへ歩いてゆく途中で、しかもいつもと違う道を行ってみようとしたら迷ってしまった。


 迷っているうちにまだ病院に行っていないことを思い出した。

 まだ明るいが、スマホの時刻表示を見れば夕方6時を過ぎており、病院はとっくに閉まっている時間だ。


 なぜ病院に行こうとしたのか?

 うっすらと腰が痛いからだ。


 しかし私は男子高校生のように学ランを着ていた。

 今年から学校の制服は女子生徒もズボンを選べるようになった。

 足腰の鈍い痛みのせいで姿勢良く歩けず、脚を見せたくないのでズボンを履いている。

 いつもはブレザーに箱ヒダのスカートだが、ズボンのときは学ランがいいと思っていた。

 高校に年齢制限はないが、女子の学ランが校則違反かどうかは知らない。

 

 目立ちたくないくせに変なところで格好をつける、年齢不詳な夢のなかの私だった。


 


 

 

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