第11話 食えないやつら 

 2020年2月16日


 仕事繋がりの食事会のため、会場のシティホテルに向かった。

 そこはもともと崖の斜面だった地形に合わせた建物で、崖の上と下の両方の道に面した出入口がそれぞれある。

 上の入り口から入ったが、集合場所は下の出入口側のロビーだった。

 カフェや売店を見ながら移動。

 下のロビーに着いたら暇つぶしにスマホでゲームを始めた。

 キャラクターをガチャ等で集めて戦う、よくある……いや、相当ヘンなゲームだ。


 ※ホテルもゲームも実在しません


 そのゲームは登場人物がみな男性で、キャラクターの絵の担当は1人のイラストレーターに統一されていた。

 というと「シンエンレジスト」みたいだが、大いに違うところは、どのキャラも、イケメンでも萌え系(男の娘含む)でもなかった!


 絵の印象は、実在する漫画家や作家でいえば、漫☆画太郎氏か『こびとづかん』のなばたとしたか氏に近い(もちろん夢なので全く同じというわけではありません)。

 そしてなぜか、どのオジサンやお兄さんも太っていて、とくに首回りがものすごく肉付きが良く(筋肉もあるけどそれ以上に脂肪)、首から肩にかけて三段腹のような襞ができている。


 なんでこんなことに?

 このゲームの世界では人類の子孫がこんなふうに進化または退化したというのか?

 それとも単に絵を描いた人(もちろん漫☆画太郎氏でも、なばたとしたか氏でもありません!)の手癖か性癖なのか?


 突然、たまたま画面に表示されていたカードの人物の絵が、太ったお兄さん(首がとくに太い)から全身機械のサイボーグ戦士に変わった。

 そして一瞬で太ったお兄さんに戻った。


 私、何かしたっけ? ああ、長押しか。

 どうやら、未強化のキャラのカードを表示して、その絵を長押しすると、キャラの最終進化後の姿を一瞬だけ見られる仕様らしい。

 他のキャラのカードで試してみたら、太ったお爺さん(首ry)がギーガーのエイリアンのような姿になった。

 面白いな、このシステム。

 いろんなキャラを見てみることにした。


 どのキャラも「キモカワイイ」といえるような姿から「怖カッコイイ」になるようだ。

 ただし、いわゆる整った顔というのは、そもそも存在しないらしい。

 なんなんだよ、このゲーム……。


 食事会が始まる前に目が覚めた。

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