第7話 ワインレッドの映画館

 2019年12月24日の夢その2


 友人Pと映画を観に行く。

 劇場の入っているビルの内装は、上映室、ロビー、エレベーター、トイレなど全てワインレッドが基調。

 二人並んで席についたが、開演10分前になると、まるで電車の有料特急みたいに「スタッフがチケットの確認に客席まで伺います」とアナウンスが流れた。

「私、チケット買い忘れてた!」と思い込んでPに荷物の番を任せてチケット売り場のある1階に降りた。

 チケット販売窓口は見つからなかったが、チケットは手に持っていた。

 戻ろうとすると、女の子が声をかけてきた。

「そのスカート素敵ですね……」

 買ったお店を当てようとしたのか、聞いたことないブランド名を列挙し始めたので、私は「ちがいます」と言って退散した。

 映画は面白かった。


 見終わってからトイレに行った。

 男女共用で全部個室、ここもワインレッドが基調、そこまでは良いのだが……。あらゆるところに経文のような字が書いてあって異様。

 Pが個室で用を足す間に、変な老人が来て、ビニール袋に入れた赤い液体を撒いた。血だ、バイオテロだと思った。

 Pを置いて逃げるわけにいかない。彼が出て来るとすぐ一緒に逃げた。

 丁度良く来たエレベーターに乗った。


 別の日に同じ映画館に一人で来た。

(夢の中ではべつの日ということになっている。)

 帰りのエレベーターに私しかいなくて、もしトイレのある階に止まってあの老人が来たらどうしようと思ったが、1階まで止まらなかった。エレベーターの扉はいつのまにかビロードのカーテンに変わっていた。

 女が入ってきて、私のバッグを奪った。追いかけて取り返した。その時女が落とした彼女自身のバッグを「あんたのはこっちだろ」と投げつけた。

 その女の顔を見ると、前にスカートを褒めてきた女だった。


 目が覚めた。

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