奇妙な私の夢日記

蘭野 裕

第1話 漫画家夫婦の家で

 まず、私が見た中で今のところ一番面白かった夢の話をしよう。



 某年某月某日


 漫画家の夫婦がいた。

 夢なので実在する誰と誰というのではないが、夫婦ともそれぞれべつの雑誌に連載を持ち、アニメ化もしている売れっ子だ。

 私は、その家のペットかアトリエにある観葉植物の役だったと思われる。


 夫婦はいっしょに雑誌社から取材を受けていた。

「夫婦で同じ職業で良かった点は、なんと言ってもお互いの仕事に理解があること」

「家事は交代で、締切から遠いほうがやります。お盆、年末、GWは大変」

「共同のアトリエが手狭になってきたのが今の悩み」

 などと話していた。


 そのアトリエがどんな感じかというと。

 机が向かい合わせにくっついて置かれ、その背後になる両側の壁には大きな戸棚。戸は透明で資料やフィギュアがずらりと並んでいるのが見える。

 フィギュアはこの夫婦のアニメ化された作品のキャラクターで、作画の助けになる。夫用と妻用に分けて置かれている。夫の作品には美少女や巨乳のキャラが多く、妻の作品にはイケメンが多い。どちらもバトル物だ。


 夜中になると、フィギュアたちがカタカタと動き出し、戸棚の戸が内側から開いた。

 両方の戸棚からフィギュアが飛び出して、美女もイケメンも武器を手に、机の上空で戦いを繰り広げている。

 人間たちが寝静まっている間に、フィギュアたちは原作者の作業スペースをかけて陣取り合戦をするのだ。

 これで夫婦の翌日の作業スペースの配分が決まる。


 決着を見る前に目が覚めた。


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