アイノカタチ

夕凪

第1話

目を開けると、タイルが埋め込まれた真っ白な天井と、医薬品の匂いがした─────


私が、初めて病院で目覚めた日は、空が黒くて。

星が一つも見えなくて、なのに月だけはうっすら輝いていた。


私はその日のことを、今も鮮明に覚えている。

声を枯らして叫んだあの日のことを。

一生分の涙を流したことを。


空の星に想いを馳せたことを。


この先も、きっと忘れないんだと思う。






忘れられない、お姉ちゃんの記憶。

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