第16話 僕と友達のデート大作戦(3) 〜悠雨side
あれから帰ってきてからずっと、あの子のことを考えていた。
朱希の従姉妹って言ってたけど……、わざわざこんな時期にこっちに来るなんて、何かあったのだろうか。
従姉妹にしては、あまり似ていない様にも思えるけど、従姉妹ってのはそんなものなのだろう。
すごい可愛らしい子だったな……。身長も朱希より小さくって、目もクリッとしてて……。なんだかいい香りも……。
って、何考えているんだ!! たしかに可愛かったけど、そういうのじゃない! それにあの時なんか避けられてたし……、多分年下だと思うけど……、年下の女の子にああいう反応されると少しへこむな……。
ただ……、初めてあった気がしないのはなぜだろう……?
どっかで会ったことは無いし、会っているのだとしたら多分覚えているはずだ。まぁ、気のせいだろうな。
そうなふうに考えていると、スマホに朱希から連絡が届いた。なにかと思い見てみると……
「悠雨〜! 久しぶりにみんなで集まらない? ちょうど貰い物のチケットの有効期限が切れそうなんだよ。
今日会った雪華ちゃんも連れていくけどいい?」
あっ、あの子が来るのか!! そうテンションが高まっていると、続いてメッセージが届く。
「日にち的に桜花は来られないらしいんだけど……。それでもいいかな?」
そうか……、桜花は来られないのか……。
そのメッセージを見て、自然と俺の指が動く。
「べつの日にするのことは出来ないのか? 出来る限り、全員で集まりたいしさ。」
「うーん、なかなか難しいかも……。期限が今週の週末までだから、それ以降っていうのは無理かも……。一応、桜花からみんなで行ってきていいよとは言われているから、そこは大丈夫っぽいよ。」
桜花自身がそう思ってくれているならいいのか……。今回はしょうがないか。
そう思いきって、俺はその約束をした。
「そこが大丈夫ならいいか。わかった、今週の休みにな! あとで詳細なことは連絡してくれ。」
「OK! 悠雨は来るの決定!!」
そうして一旦、メッセージのやりとりは終わった。
あとで聞いたが、今回貰ったチケットというのは遊園地のものらしい。
朱希の父親の仕事の関係からか、昔からよくこういうものを貰っていて、期限が迫ると毎回俺たち四人であちこち一緒に行ったものだ。
そう思うと、今回桜花がいないのは初めてかもしれない。
あとで、何かしらで埋め合わせをしてあげないとな。また、前みたいにみんなで学校帰りに出かけてもいいし、今回みたいに休日にどこかへ出かけるのでも。
それなら、あとでちゃんと考えておこうか!
そして、週末に向けての準備と思ったが……、特にやることは無いのでいつも通りの休日を送ることにした。
〜続く〜
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