第6話僕の友達の様子が…(2)

今回は悠雨視点で内容が進んでいきます。

普段とは少し異なる所もお楽しみください。


「はぁ〜〜…」


結局、登校中・学校内に入ってからも全然桜花と話せてない…

あーーもう!意識しないようにと思えば思うほど言葉がたどたどしくなるし…

『それ以前に言葉が出てこない!』

逆に何を話せばいいんだよ!!

桜花の顔を見ると頭真っ白になるし!

こんなことを何周も繰り返し、とうとう昼休みになった。


そして、一人のクラスメイトがスマホを持って話しかけてきた。

「なあなあ、この絵、めっちゃ良くないか?」と美少女キャラの絵を見せながら話しているこいつは、紅縁 己丞(アカヨシ ミツグ)

こいつとは小学校からの付き合いで昔からよく話していた。


こいつの特徴を話すと、目鼻立ちに並びスタイルも良く何より誰にでも笑顔を振る舞うような言ってみたら、俗に言うモテるイケメンと言う奴なのだろうが…

こいつの最大の特徴は『二次元オタク』ということだ。


だからか恋愛をしたことは一度もなく告白を受けても「今は、二次元にしか興味がないんだ。」と笑顔で言っているらしい…


中には、イケメンなのに誰とも付き合っていないことから腐女子からネタにされることもある…

そして、毎回カップリングを組まされるのは俺だ…


「なあ、このキャラ可愛いだろ〜」

すごい満面の笑みでこちらを見てくる…


「あ、あぁ…そうだな…」と返すと、


「あれ?今日、何かあった?」と何かに気づいたかの様に聞いてきた。


「な、なんでわかったんだよ!」

流石にこれは驚いたので聞いてみた。


「だって、普段だったら悠雨は自分が言った発言に何かしらツッコミをしてくれるからさ〜」

「別にツッコミなんかしてねぇよ。」


〜悠雨脳内〜

あれ…?もしかして俺って…

『めちゃくちゃわかりやすいのか!?』

そう思うと、恥ずかしくなってきた…


〜現実〜

それから己丞が話を続けた。


「で?どうしたの?何か悩みでもあるの?」

「べ、別に悩みとかじゃ…」そう返したら


「その反応~絶対、悩んでるじゃ〜ん。どんな悩み?もしかして桜花ちゃんのこと?」


「な?!な、な、なんでわかったんだよ!」思わず動揺してしまった。

「まじ?当ったり〜〜!!」いかにも楽しそうな反応だな、と思った。

少し話していて少し疑問を感じた。


「そういえばなんで昔から桜花のことちゃん付けなんだ?」


「え?いや、だってあの子めちゃくちゃ可愛らしいしさ〜、初めて会った時悠雨に言われるまでずっと女の子だと思ってたんだよ。だから初めて名前を聞いて呼んだ時ちゃん付けだったからその名残りだよ。」という答えを返してきた。確かにもっともな理由(?)だと思える。


「しかも、今でも可愛らしいしね〜。悠雨、あんな高校生二次元でしか見られないようなものなんだから大事にしなよ!」と何か余計な言葉も添えて…


「で?桜花ちゃんと何があったの?まさか…勢い余って襲っちゃったとか!?」


「違う!断じて違う!」これは否定しておかないと話が独り歩きしかねない。


「ハハッ、冗談冗談だって、必死になり過ぎ。で、何があったの?」その冗談は心臓に悪いからやめてくれ、そう言おうと思ったがやめた。


「何かあったとかじゃなくて…ただ、面と向かって話せなくなっちゃって…お互いに…別に何かあったとかじゃないんだけどな!」

「ふ〜ん…」え…俺、また何かわかりやすいこと言ったか?


「なるほどね、わかった深くは聞かない。よぉし!じゃあ、自分が朱希と話合わせて二人が話せるときを作ってあげよう!」


「え?いいのか?」正直、頼れるものなら頼りたい、そう思っていたので己丞の提案はありがたかった。


「うん!そうと決まれば!早速…朱希に会ってくる~~!」と、言いながら走っていった。そしたら何故か外野の方で…


「ザワザワザワザワザワザワ………」

明らかに、朱希の名前が飛び交っている…

イケメンなんだから女子生徒の名前を大声で叫んでいぐな!と心の中でそう思った。


それから経って、放課後になった。




〜続く〜


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