聖なる夜

勝利だギューちゃん

第1話

12月23日。

昨年までは、天皇誕生日で祝日だったが、今年から平日。


まあ、それはいい。


24日は、クリスマスイブ。

聖なる夜。


昨年に、「今年のクリスマスは、素敵な彼女と過ごしたい」

僕は、そう願った。

しかし、そんな願いが叶うはずもなく・・・


しかし、元旦にひとりのサンタがやってきた。

女の子のサンタで、マイルという。

アニメのDVDを見て、遅れてきたサンタさん。


償い?として、今年のクリスマスまでは、一緒にいて、

素敵な夜を過ごしてくれるという・・・


その日が近づいてきた。


「悟くん、いよいよだね」

「うん」

「明日は、デートだね」

「うん」

「嬉しくないの?」

マイルが言う。


最初は、疎ましく思っていたが、一年近くも同居していると、

愛着もわく。


このまま、時が止まればいいのに・・・


「悟くんの、理想のクリスマスは?」

「夜景の見える高級レストランで、シャンパンを酌み交わしで、食事する」

「ウソだよね?」

「わかる?」

「うん。君の性には合わない」


自分でもそう思う。


「鍋を囲んで差しつ差されつ」

「クリスマスでなくてもいいよね?」

「確かに・・・」


マイル以外にも、同居人がやってきたが、どこかへ行った。


「なら、マイルはどんなイブを過ごしたいの?」

「面白いアニメのDVDがあるんだ。それを観よう」

「いつもと変わらないでしょ?」

「わかる?」


一緒に暮らしているとわかる。

もう、以心伝心か・・・


「わかったよ、マイル。決めた」

「何?」

「来年まで待って」

「だめ。彼女としては、今年に叶えさせてもらいます」


やっぱりだめか・・・


「彼女としてはね」

「えっ?」


≪ふつつかものですが、よろしくお願いします≫


そしてクリスマスは、マイルの両親に挨拶をしに行った。

ホワイトクリスマスだ。


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聖なる夜 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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