36:かけがえのない時間

「かけがえのない時間」ということについては、だいたい過去を振り返って想いにふけるものだと思っていた。つまり思い出だ。あの時あの人と一緒に素敵な時間を過ごしたんだなあと。ふとした瞬間にきっかけが連れてくる夢想。

しかし今夜息子を寝かしつけ四苦八苦しながら、今まさにこれは「かけがえのない時間」だ、自分はその最中にいるんだということがリアルタイムに身体中を駆け巡る体験は、父になったからこその不思議である。

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