第2話
「いいです、いいです!先輩も明日テストですよね?先輩に迷惑かけられないです!」
「教えるのも勉強になるから」
丁寧にお断りしたのに、先輩は私の隣に座ってしまった。
先輩って優しいんだなー。
外見にとどまらず中身までかっこいい。
…って、今はそれどころじゃなかった!
勉強、勉強!
私は気を引き締めるために、自分のほっぺたを叩く。
「で、どこが分からないの?」
「ここなんですけど…」
私はそう言って教科書を見せようとすると、先輩は身を乗り出して、机に肘をついた。
…あのですね。
教えて頂けるのはとてもありがたいのですが…。
ちょっと距離が近すぎるような気が…。
由城先輩の腕が私の腕に当たって、ちょっと緊張する。
「あ~、ここはね」
先輩が喋り出したのと同時に、窓から風が入ってきて。
すごくいい香りが漂ってきた。
先輩、超いい匂い。
柔軟剤かな?
シャンプーの匂いかな?
「で、こうなるの。って、ななちゃん聞いてる?」
…え?
先輩の香りに気を取られていて、全然聞いてなかったー!
「こ、こうですよね?」
「全然違うよ」
「はて」
先輩のいい香りに癒されてる場合じゃなかった!
せっかく教えてくれてるんだから集中しなきゃ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます