第5話 人はなぜコーナーポスト最上段に登るのか

 タイトルはプロレスのことです。ハリー・レイスとかリック・フレアーとかNWA世界チャンピオンが得意とする対戦相手に投げられると分かっているのにコーナーポスト最上段に登るムーブメントです。晩年のジャイアント馬場などは腕も細く腕力もなさそうなんで相手を抱えてマットに投げるボディスラムはできそうにありません、見栄えよく、わざと投げてもらうためにコーナーポストに登ってくれるのです。

ハリー・レイスはたまにコーナーポスト最上段に登ってからダイビングヘッドバットを決めていましたが、リックフレアーにいたっては何の攻撃のためにコーナーポスト最上段に登っているのか不明です。ダイビングボディプレスでもしよう思ってるのかもしれませんが、したとこは見たこともありません。思いやりの精神というかショウ・ビジネスを徹底しているというか。


 亡くなりましたが、アメリカのジャクソン・ブラウンも歌っている途中に失神しかかって、マネージャーからマントをかけてもらって、また歌いだすというプロレスからヒントを得たマントショウを毎回やってました。こういう、やらせ的な観る者も分かったうえでやるというのは、ショウビジネスの本場アメリカならではで、ある意味素晴らしいです。


 今、全米一人気のプロスポーツ・アメリカンフットボールNFLもポストシーズンに入り熱気も最高潮になっています。ワイルドカードプレイオフが4試合週末に行われましたが、タイブレイク(延長戦)が2試合と前回スーパーボウル覇者のニューイングランド・ベイトリオッツが敗れるという大波乱もありました。もちろんNFLは真剣勝負なのでやらせなしです。でも試合の見せ方、観客重視のルールのやり取り等はさすがアメリカということで上手いです。また、大接戦、こうすれば勝てたなのにと思うのですが、すぐに敗者の選手やヘッドコーチなどが勝者を称える姿も心打たれるものがあります。また、来年頑張ればいいのですから。勝ち負けに徹底的にこだわり努力しチーム一丸となるが、戦い終わればこの清々した心です。日本はスポーツ新聞、雑誌で、たら・ればが多いと思います。このショウビジネス、いさぎよく勝者を称えあうアメリカの文化には勝てそうもありません。まあ、何事も世界最強のアメリカですもんね。


 日本にも年始の箱根駅伝始めとする全力で一生懸命し、称える誇らしい文化がありますし、フェアープレイ精神もあります。男子ワールドカップサッカーのレッドカードなしの記録は日本代表が持っています。19試合なしです。このフェアープレイ精神、あるいは去年ワールドカップラグビーの戦ったもの同士が試合後称えあうノーサイド精神があれば、今ニュースで飛び交う第三次世界大戦ではなく世界も平和になると思うのですが。

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