白蛇、伝説になる

まかろーん

第1話

(………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)


私、蛇。現在よくわかんない生物に追いかけられて…あぶねっ!


今後ろの方ガリっていきそうだった!!ちょ、こわいって。


あ、小さめの穴はっけーーん。


よーし、飛び込めー!


………うん、撒いたみたい。


よくわかんない生物がどっか行った!大勝利〜


…はい。


落ち着いたところでなんでこんなことになったのか、ちょっと回想。


――――私は普通の蛇だった。


いや、今も普通だよ?でもさ、こんな思考してなかったもんね!


わけわかんね。


まあ、ある日森をうろちょろしてたら、居心地よさそうな穴があったわけ。


私はなんだかその穴に吸い込まれるようにその穴に向かって行った。


なんだかずっと奥まで続いてるようで、普段ならそんな奥にいかないんだけど、無意識のうちに奥へ奥へと進んで行った。


そう、無意識に。


進んでるうちにだんだんと頭に痛みが走っていった。


ん?蛇に頭痛があるわけない?


失敬な!私にだって脳はあるんだよ!


ごめん、また話がそれたわ。


えっと、頭痛のまま無意識に進むと初めてみた森(?)にいた。


んで、こんな思考ができるようになってて、人間並の理性と思考能力がついた。






*******************************************************






はい回想終わりー。


うん。自分でも何言ってるのかわかんない。


私も混乱してるんだよ。


げんじょうかくにーん!


体長縮みまくり!これ幼蛇だよね!?


あと真っ白。アルビノってやつか。


たいそーう!(ウネウネウネ)


うん。これは普通どおり。


ちょっと頭使ってみる


…なんか「電気」って単語出てきたけどなんだよ。初めて聞いたわ。


知識量も増えてるね。


やった。


穴から頭だけ出して周りを見渡してみる。


あ、違うよ?地上じゃなくて下。


なんか地下あったの。


気を取り直して、見渡す。


ふっふっふー


蛇だからみえるんだなー


さーて、観察観察ー


…今遠くでめっちゃ熱そうな塊が高速で飛んで行ったんだけどあれなに?


ねえ、あれなに?


ちょっと退散。


まずは落ち着く。ひっひっふー


これ違うじゃん!


あー、うん。いつもどおりだったわ。


でもさ、あれ無理だよ。無理ゲーだよくそっ!


準備しても勝てると思わないもん!


本能が警鐘ならしてましたもん。


しかし、今の私には膨大な知識量があってだな…


備えあれば憂いなしってことで事前準備。


私の知識によると、恐らく異世界、というものに当たるのだろう。


………ほう。


異世界転生というものがあるのか。


これに近いんじゃね?ってことでさらに思考を深めていく。


…へえ。


ステータスってのがだいたいあるんだね。


それらしきものはでてないと思うけど。


発動方法は〜?


簡単じゃん。声に出すだけ。


あ、私声出ないや!


てへぺろ


やってみるだけやってみるか


「………………」


だめだ、やっぱ出ない。


というわけで念じてみる。


(ステータス!)




『種族名 蛇Lv1 個体名 なし


ステータス


HP 21


MP 15


攻撃力 94


防御力 17


魔力 3


速度 35


スキル


思考強化 毒牙 温度感知』




できたわ。


ご都合主義乙。


まあいいや。ステータスみてみよう。


……ふーん。へー


なんか心もとない数字が見えた気がするけど気のせいだよね!


ちらっと見直してみる。


…ほー。私に死ねと!?


この世界のステータス平均数値わかんないからなんとも言えないけどこれ絶対弱いよね?


神様、言い逃れはできないよ!


ってよく見ると攻撃力だけ結構高いじゃん。


不意打ちしてたらかてるんじゃない?


あ、さっきのすごい熱さの塊出てたやつ?


むりむり。


勝てるわけねー。


てか、やっぱスキルってあるんだ。


レベルってのはないらしいけどね。


思考強化ってのはそのまんまだね。


私がこんなこと考えてるのがいい証拠。


次。


毒牙。うーん、毒牙ねぇ。


私、地球にいる時は毒持ってなかったと思うんだけど。


この世界に渡る時に気を失った時に性質が変化したのかな?


まあいいや。


生きる上で少しは有利になるだろう。


温度感知ってあれか、私の目!


おかげでよう見えるわい!


おっと、普通すぎて口調が変化してしまった。


あとさー、最後までだまってたけど


あの、『種族名 蛇』ってなんやねん!


一応私のなかの知識によると私の種族(?)ってアオダイショウっていうらしいぞ!


話戻るけどさ、蛇よ蛇。


毒蛇になってるならさー、種族名もうちょっと変えても良かったじゃん?


もういーわー。


いいや。


こんなこと考えてもきっと無駄だろう。


ところでスキルポイントってのは?


ねえ、ないの?


あったら使うところなんだけど。


ねーー!


スーキールーポーイーントー!!


スキルポイントでてこいやー!


――ピコーン――


あ、なんか変な音出た。




『スキルポイント 30』




ホワッツ!?


なんでこんな少ないのよ!?


え?多かったりする?


ないよね。うん。わかってた。


でもさ、でもさ、こういうさー、異世界きたよー!


っていうやつは「おっしゃー最強スキル完備!俺TUEEEEE!!」ってのが普通なんじゃない?


貧弱すぎない?


か弱い私を守って!!


…守られるわけないか。蛇だし。


さて、こんな狭い穴のなかにずっといるのもなんだし、地上にでるか。蛇だから、むしろ居心地はいいんだけどな!


べ、別さっきの熱の塊飛んでくるのがこわいとか思ってないしっ!


さ、さーてとっ?


スキルをとっていこうじゃないか。


攻撃力だけ結構高い(?)し、攻撃力補助系とか奇襲できるスキルとかいいかもしれない。


あとは攻撃されたらすぐ死んじゃうかもだし逃げるためのスキルもいるかもね。


あ、そうそう。確か私魔力めっちゃ低いよね?


魔力って確か魔法の部類だから…


めっちゃ魔法弱いんか!


気をつけないと。


どれどれ?


「……………」


私はじっくり考えることにした。




******************************************




――数時間経過したよ。


うん。結構いいの選べたと思う。


最初だからか、必要ポイント数も少なかったし、


では、ステータスおーぷん




『種族名 蛇Lv1 個体名 なし


ステータス


HP 21


MP 15


攻撃力 94


防御力 17


魔力 3


速度 35


スキル


思考強化 毒牙 温度感知 隠密 猛毒 分身作成 』




『スキルポイント 9』




こんな感じ。


おっと、そこのあなた。


あんまり変わってないとかいうんじゃない!


隠密のおかげで毒でじわじわとHPを削る戦法がとれるようになったのだよ!


チキン野郎って?笑止!生き残ることが大事なんだ!


第一私性別雄?男?どっちでもいいや。


そのどっちにも当てはまらない方だから野郎じゃないんです。べー。


お次のスキル、猛毒。


はっきり言っちゃえば毒牙の上位互換かな。


まあ、毒が関係するスキルを持ってないと取れないっぽいけどね。


このスキル、結構有用で毒の威力が増すだけじゃなくて、霧化させたり、塊にしたり、ブレスにもできるのだ!


要は使い方次第ってこった。


最後!


分身作成は結構有用だと思う。


なぜならこれ!その名の通り分身が作れるんだよ!(一体だけ)


これだけだと、「うん?」ってなるよね。


うんうん。


私が2匹になるってことは攻撃力も2倍!


危ない時は囮にして私は逃げる!


ほーら。とっても便利!


えー。静まり下さい。


批判は受け付けておりません。


まあ、こんなもんか。


準備ばっちり!


そろそろお腹も空いてきたことだし、地上へレッツゴー!

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