美少女メイドが空から落ちてきて俺にご奉仕してくれることになったので人類が絶滅した
結城藍人
ある日突然、美少女メイドが空から落ちてきた!
「あーあ、空から可愛い女の子が落ちてこないかな~」
なんてことを登校途中につぶやいてたって、本当に落ちてくるはずがない……と思っていたのに。
「ちこく、ちこく~!」
上の方から女の子の声が聞こえてきたので見上げてみたら、食パンをくわえた美少女が空から落ちてきた……って、どういうこと!?
ゴッチン!
呆然として見上げていた俺の額に、彼女の額がキスをした……嘘です、ヘッドバットを叩き込まれました。
「ぐおおおおおっ!」
思わず額を押さえて悶絶する俺……ってか、それで済んでいいのか? 普通なら空から人が降ってきて他人を直撃したら即死だろ。重力加速度、仕事してないんじゃね!?
「ああっ、ごめんなさいぃ~! 遅刻しそうになって慌てて前見てませんでしたぁ……モグっ」
平謝りに謝ってくる女の子。でもしっかりパンは右手にキープして、謝ったその口でかじってたりする。
「い、いや、とりあえず死んでないから大丈夫だけど、君、誰?」
と、思わず問い返しながらじっくり見てみたんだけど……青みがかった銀髪に赤い目って、どう考えても地球人のカラーリングじゃないよね。いや、綾波レイのコスプレしてるって言われたらそこまでだけど、それなら腰まであるようなサラサラのロングヘアーじゃないだろうし、服装もメイド服じゃないだろう……って、この服、形は確かにミニスカ系メイド服だけどカラーリングが銀色とガンメタルブラックって普通はあり得ないんですが。あと、耳には何か変な大型ヘッドホンというか、妙にメカメカしいヘッドセット付けてるし。
「あ、わたしはMMR-1919-R18型
「色々な意味でツッコミ所満載の名前なんだけど!?」
「そこはツッコんだら負けなので気にしないでくださいねっ♡ モグモグ」
そう言って大きな瞳をウインクしてくるメグちゃん。いかん、落下途中の顔をチラ見しただけでも美少女だと分かるような超カワイイ女の子にウインクとかされたら、それだけで全ての不条理を許したくなってしまうが、ここはきちんと正体と落ちてきた理由を聞かないと。
「名前はともかく君って一体何なの? どうして空から落ちてきたの!?」
そう問い返すと、かじったパンを飲み込みながらメグちゃんは答える。
「ンガングっ……ええとぉ、わたしは平たく言うと『
「故障でもしたの?」
「まさかぁ、わたしは作られたてホヤホヤの最新鋭生体アンドロイドですよぉっ! そんなポンコツっぽい故障を起こすはずないじゃないですかぁ!! プンプン」
ぷーっと頬を膨らませて抗議するメグちゃん。そんな顔も可愛かったりするから美少女はトクだ。
「ごめんごめん! でも、それじゃあ何で落ちてきてたの?」
「今朝の九時までにご主人様を見つけないといけなかったのに、降下速度の計算を間違えて遅刻しそうになっちゃったから、あわてて降下速度を上げたらスピードつきすぎちゃったんですぅ」
「ポンコツじゃん!」
「あうぅ……ヒドいですぅ」
思わずツッコんだら、その場にしゃがみこんで涙目になって上目遣いに俺を見上げてくる。卑怯だぞ、そのアングル! 可愛すぎるじゃないか!!
ドキッとした俺に、メグちゃんはそのまま両手を組んでお願いポーズになってまくしたてた。
「お願いですぅ、わたしのご主人様になってくださいっ! 九時までにご主人様を見つけないと、わたしは役立たずとして解体されちゃうんですぅ!!」
「ご主人様? 解体!?」
唖然としながらも聞き返した俺に、メグちゃんは涙目お願いポーズのままで答える。
「そうなんですぅ。わたしたちは地球人への贈り物として作られた生体アンドロイドなんですぅ。基幹部は量子コンピュータとかハイパワーモーターとか超電導バッテリーとかの機械部分もありますけど、体表面とかは地球人の遺伝子を基に培養された生体細胞なんですぅ。あ、でも動力源は家庭用電源で充電できますし必要電力量もこの星の家庭用小型EV自動車より少ないですよぉ。あと生体部品の維持に必要な食事の量も普通の地球人の大人に比べて少なくて済みますぅ」
そこで一度言葉を切ると、さらに説明を続ける。
「それで、『ご主人様』に奉仕するのがわたしたちのお仕事なんですぅ。身の回りのお世話とか、仕事とか何でもやりますぅ。地球のロボット工学三原則に基づいて行動するようプログラミングされているので、他人を傷つけること以外だったらどんな命令にも従いますぅ」
それを聞いて、俺は思わずゴクリと生唾を飲み込んだ。
「どんな命令にも?」
その問いにうなずきながらメグちゃんは答える。
「はいぃ。もちろん『えっちぃ命令』にも従いますよぉ」
「え、えっちぃ命令!?」
「はいぃ。わたしたちは生体アンドロイドなので、皮膚や肉や、あと口の中とか……アソコの中も地球人の女性と違いはないですよぉ」
「あ、アソコの中っ!?」
思わずテンパった俺に、メグちゃんはさらに追い打ちをかける。
「でも、子宮とかの内蔵までは作られてないのでぇ……」
「そ、それって……」
俺の様子を見て涙を拭いたメグちゃんは、にへらっと笑って続けた。
「いくらでも中に出してオッケーなんですよぉ!」
それを聞いて、俺は思わず叫んでいた。
「なるっ! ご主人様になりますっ!!」
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