第47話 エル対アルベイン
サイラス剣闘士大会も残すところはあと二試合。そんな残る二試合の一つが、今まさに始まろうとしていた。すでに闘技場中央には、戦いあう二人――アルベインとエルが試合開始を待っている。二人は静かに闘技場中央に佇む……。
観客の歓声が飛び交う中、ついにその時は来た。
『では! 二回戦、第二試合! アルベイン選手対エル選手の試合開始!』
司会者の合図でアルベインは
強者二人のぶつかり合いに観客からはため息にも似た感嘆の声が漏れ聞こえる。
お互いに距離をとり睨みあう形となったが、エルはすぐに攻撃を再開する。先程と同じように高速移動で姿が消える。しかし、今回の攻撃は一撃ではなく複数の斬撃をアルベインへと繰り出した。アルベインはエルから繰り出された斬撃の全てをことごとく
エルの攻撃は常人では見えないほど早いため、観客はどんな攻撃をしているかは定かでなかった。だが、アルベインが攻撃を弾くたびに火花にも似た光と金属のぶつかり合う音が響いたことでアルベインがエルの目にも止まらぬ攻撃を防いでいることは理解できた。そのため観客からは二人に対して歓声が飛び交う。
そんな二人の戦いを見て一人の男が笑みを浮かべてアルベインを眺めていた。それは、サイラスで兵士長を行っているキーンだった。キーンは呟くようにアルベインを心配する。
「アルベイン……。修行の成果が出ているな。だが油断をせずにいけよ。……相手はまだ本気を出していないぞ」
キーンが心配している時、アルベインも同じようなことを思っていた。
(ふぅー、やはり速いな……。しかし、なんとか防ぐことはできる。これもキーン隊長のおかげだな……。だが、エル殿……いや、リディア殿はまだ本気を全く出していないはずだ。このままでは終わらないだろう。……こちらからも攻撃をするべきだが、さすがに動きながらではあの速度にはついて行けない……。どうするか……)
アルベインは悩んでいた。動きを止めて防御に徹すれば、エルの高速移動にも対処できるが攻撃をすれば隙をつかれてしまうと考えていた。そのため、なかなか攻撃に転じることができず攻めあぐねている。そんなことをアルベインが考えているとエルが口を開く。
「やるな。アルベイン」
「……どうも、エル殿。ですが……、あなたは実力を出し切ってはいませんよね? それは余裕ですか?」
「余裕? ふむ……、そうとられるのか? 私としては慎重に攻めているつもりなのだがな」
「私を相手にですか? あなたの方が圧倒的に有利だと思うのですが?」
「……それは悲観しすぎだな。お前の悪い癖だぞ。アルベイン」
「なっ!」
エルの言葉にアルベインは驚き反論しようとするが、その前にエルが話を続ける。
「アルベイン。お前は強い。お前がどう思っているかは知らないが、お前の実力は確かだ。常人でお前に勝てる者など僅かといっていい。まぁ、もちろんお前以上の強者が多くいることも事実だが……。しかし、自分の力は認めるべきだぞ? そうでなければ、私のように格上の相手と戦う場面では気持ちで負けてしまうぞ?」
「……気持ちで……負ける……」
「そうだ。戦いにおいて実力だけで勝敗を判断するなど愚かなことだ。もし、そうなってしまえば、自分よりも強い相手を前にした時には抗いもせずに負けてしまう。……考えるんだ」
「考える……?」
「そうだ。例え実力は相手が上であっても、なんとしてでも勝利をもぎ取る方法を考えろ。場合によっては己の命を懸けることもあるだろう……。だが、その覚悟がなければ実戦において自分以上の強者と相対した時には何もできずに負けてしまうぞ? そんなことでいいのか?」
エルの言葉を噛みしめアルベインは答える。
「……いいえ……。私には……いや、俺には守るべきもの、守りたい人がいる! それを守るためなら命など惜しくはない!」
アルベインの答えを聞いたエルは口元に笑みを浮かべ頷く。
「いい答えだ。では、証明してくれ! お前の覚悟をみせてくれ!」
エルの言葉に呼応するようにアルベインは
◇
医務室内にも観客の歓声が響き渡っていた。その度にカイは顔を上げて視線を戦いの場へと向ける。しかし、医務室では戦いを見ることは叶わないため、見たとしても医務室の壁が見えるだけだった。そんなカイの様子を見たハルルが声をかける。
「気になるわよね。カイ君」
「えっ? あ、はい。ハルルさん……」
「それはそうよね。今、戦っている勝者が次の対戦相手だもんね」
ハルルは小さく頷きながら飲み物を口にした。しかし、カイはハルルの言葉に異を唱える。
「……少し違います。ハルルさん」
「うん? 何が?」
「えっと。俺が気にしているのは試合の内容だけです。……だって、次の相手はわかっていますから」
「わかっている?」
「……はい。次の相手は絶対に……エルさんですから」
カイは確信しているようにハルルへ告げる。カイの自信はハルルには理解できなかったが、あまりにも自信満々に答えるカイにハルルは何も言えなくなった。そのとき、パフの目が覚める。
◇
「はぁーーーー!」
「甘い!」
気合を入れたアルベインの攻撃をエルは軽くいなした。攻撃を躱した後、エルはすぐにアルベインへ反撃する。その攻撃を紙一重でアルベインは避ける。体勢を崩したアルベインはすぐに
「やられたな……、狙っていたな?」
エルの言葉にアルベインは笑みを浮かべる。
「……当然でしょう。あなたが言ったんだ……。命を懸けることができるかと」
二人の会話の意味を誰も理解できなかったが、エルの姿を観察した観客の一人が気がついた。エルがつけている
(なるほどな。最初の連撃を避けなかったのはわざとか……。あえて攻撃を受けることで私の油断を誘うと同時にカウンターを狙うか。いい手だが、その手はもう使えんぞ。どうする?)
エルがそんなことを考えていると。アルベインは
◇
「ば、バカな! アルベイン! 何を考えている? 上段からの攻撃など、あの相手に当たるわけが……」
◇
キーンが観客席で声を荒げるが、アルベインの耳には届かない。そんなキーンの言葉を代弁するようにエルがアルベインへ忠告する。
「何のつもりだ? お前の強さは認めるが、その攻撃を私に当てることができるのか?」
「……まともな攻撃なら当てることはできないでしょう……。ですが、私の力をもう一度だけ試してみませんか?」
「試す?」
「はい……」
アルベインは目を一瞬だけ目を閉じる。そして、目を開いた瞬間にエルと観客へ向けて宣言する。
「私は! いや、俺は! 今から渾身の一撃であなたの模擬剣を破壊してみせる! エル殿! あなたなら、この攻撃は避けようと思えば簡単に避けられる。だが、俺の挑戦を受けるならば確実にあなたの剣を破壊してみせる!」
アルベインの宣言を聞いた観客は意味を考えて沈黙する。しかし、意味を理解した途端、大歓声が闘技場に響く。それは、アルベインの挑戦を後押しする声が大多数を占めていた。
「いいぞー!」「やれ! やれー!」「見せてくれー!」
「エルー! 挑戦を受けろよ! そんで! 蹴散らしてやれー!」
「アルベイン! アルベイン!」「エル! エル!」
周囲は大いに沸くが、エルは歓声を特に気にする様子もなくアルベインを冷静に見つめている。
(……
エルが――いや、リディアが考えていたあのときとは……。以前、アルベインと模擬戦を行った時にリディアは模擬剣で本物の
(確かに
リディアは少し考える。本来なら悩む必要などなかった。アルベインの挑発や提案など無視してまともに攻撃を仕掛ければ決着はすぐに着く。リディアの勝利で……。だが、リディアは確かめてみたくもあった。アルベインの言葉通りに模擬剣を破壊することができるのかを。そのため、リディアはアルベインを見定めながら一言だけ告げる。
「よかろう。その勝負に乗ってやる。ただし、破壊できなければ次の瞬間にお前は負けている!」
「感謝します! エル殿!」
二人が勝負に同意したことを確認した観客はさらに興奮して声を張り上げた。しかし、周囲が興奮している一方でリディアとアルベインは瞬きもせずに相手を見据えている。
◇
そんな二人を見ていたルーア、アリア、スー、ムーは試合に注目する。
「アルベインの野郎……。あのときのリベンジをするきだな。へっ! いいじゃねぇか! やってやれよ! アルベイン!」
「る、ルーアくん。あのときって、何のこと?」
「あん? あぁ、そっか。オメーらは知らなかったな。前にリディアとアルベインは模擬戦をやってるんだよ。そんときは、リディアの野郎が模擬剣で本物の
ルーアの言葉にスーとムーは驚愕したように目を見開く。
「ルーアさん。お聞きしたいのですが……」
「あん? 何だよ?」
「そのときの戦いでは、リディアさんは模擬剣でアルベインさんは本物の
「そうだって言ったろうが」
「……それなのに、アルベインさんはリディアさんに敗北したと……?」
「そうだ。まぁ、あいつのでたらめな強さを理解しても、実際に見ないと信じられないだろうがな」
確認をとったスーは言葉を失い闘技場に目をやる。ルーアを抱いているムーは瞬きをくり返してリディアとアルベインを見ていた。そんな中でアリアだけは、いつも通りの表情でリディアとアルベインを見ている。いや、アリアが主に注目していたのはアルベインだった。
(そういうことか……。だから、あいつ。いつも以上に気合が入ったり、びびったりしてたのね。でも、今は大丈夫そう。ちゃんと、いつものあいつだ。最後までちゃんとやって欲しいわね。……全く、世話のやける幼馴染ね)
◇
闘技場の医務室。パフが目を覚ました。そのことに気が付いたカイとハルルは声をかける。
「パフ! 目が覚めたんだ。身体は大丈夫?」
「目が覚めたのね。ちょっと、診させてもらっていい? ――うん。特に異常はなさそうね。でも、何か違和感とかはないかしら?」
パフはカイとハルルを交互に見る。すると微笑みを浮かべて小さく笑い始める。そんなパフを見てカイとハルルは首を傾げる。
「……あっ。すみません……。そんな風に心配されたのは、お母さんが死んでから初めてだったんです。だから、ちょっと驚いてしまって……」
「……そっか、そうだったんだ……」
パフの言葉にカイは呟くように声を漏らす。ハルルは悔しげな表情をする。二人はぶつけようのない怒りの感情が芽生える。しかし、パフは二人に笑顔で話し始める。
「あっ! ごめんなさい。別に悲しいわけじゃないです。むしろ、嬉しいんです!」
「えっ? 嬉しい……?」
「はい! だって! 私はカイさんのおかげで奴隷から解放されました。それは、みなさんが勇気をくれたからです! 私にとってカイさんは……みなさんは大恩人なんです! だから、大丈夫です。――カイさん」
「うん? 何だい? パフ」
「試合を見てきて下さい」
「えっ?」
「少しだけ聞こえていました。カイさんが気になっているって。私は大丈夫です。身体に問題はないって、そこの……えーっと」
「あー、そっか。自己紹介をしていなかったわね。私はハルル。
「はい。私はパフといいます。よろしくお願いします。ハルルさん」
ハルルとパフは挨拶をすませて互いに握手をする。握手を終えるとパフはカイへと向き直り先程の話を続ける。
「カイさん。行って下さい。お願いします。私のことは気にしないで大丈夫です。それに、私のせいでカイさんが次の試合で負けるなんてことがあったら申し訳ないです。だから、行って下さい」
「パフ……。ありがとう!」
言いたいことはあったが、カイは多くは語ることなくパフに感謝を伝えると医務室を後にする。
そして、すぐさま廊下を駆け抜け闘技場内を見渡すことのできる通路へと出る。すると、カイの目に映ったのは折れた剣を持つリディアの姿だった。
◇◇◇◇◇◇
リディアがアルベインの挑戦を受けた。そのため、アルベインが攻撃してくるのを待ち構えていた。対するアルベインは上段に構えた
(確かに前回よりも素早いが……。その程度は予想の範囲だ。残念だがアルベイン、お前の負けだ!)
リディアは自信を持っていた。剣と
「はあぁぁーーーーーーー!」
「――ッ!」
金属同士のぶつかりあう甲高い音が響いたと同時に空中に金属が舞った。風を切るような高い音を立てながらそれはくるくると回る。そうして、しばらく空中を舞った後で地面へと突き刺さる。それは金属の塊であり、かつてはリディアが持っていた模擬剣の一部だった物だ。リディアの持っていた模擬剣はアルベインの
剣を折られたことを理解していたリディアは折られた模擬剣を見ながら感心する。
(今のは……。そうか、アルベイン。お前は、気を使えたのか……)
一方のアルベインもリディアの剣を折ったことを
(はぁ、はぁ、やった……。やったぞ! リディアさんの模擬剣を叩き折った! 俺は……俺は……あのときの俺を超えたんだ!)
そんな二人に遅れて、勝負を見ていた観客も理解する。アルベインが圧倒的な実力を持つエルの武器を破壊したことを……。そのことを認識すると周囲からは大歓声が巻き起こった。その歓声は闘技場内はおろかサイラスの中心街まで届いたのではないかと錯覚させるほどだった。
周囲の騒ぎを余所にリディアは冷静に分析していた。どうして剣が折られたのかを……。
(ふむ。剣と
「やるな、アルベイン。まさか、そんな奥の手があったとは」
「はぁ、はぁ。えぇ、リディア殿。修行を重ねて、一時的に威力と速度を上げることができるようになったのです! とはいえ、あんな大振りで隙の多い攻撃をおいそれと実戦で使うことはできませんが……。リディア殿が挑戦を受けてくれたので使わせてもらいました!」
リディアはアルベインを見据えながら、アルベインの言葉を聞く。それらを分析してリディアは理解する。
(……違うな……。アルベインは先程の攻撃を気とは理解していない。恐らく認識はせずに無意識に気を使っている。そういう戦士を何人か見たことはあるが、ここまで練度の高い気を使って無意識とは……。末恐ろしい奴だ。気の認識は出来ていないが、威力と速度が上がるということを修行で理解しているのだろう)
リディアの予想は大正解だった。アルベインは自分が気を扱っているとは認識していなかった。ただ、何度も修行をして最大の攻撃方法を模索する中で上段からの攻撃こそが一番破壊力があることを理解した。そこから、修練を重ねて威力と速度を可能な限り高めようと努力を重ねる。その修行でインパクトの瞬間に威力と速度を上げる方法を編み出した。それは、気の力であったがアルベインは気とは理解せずに修行の成果によって威力と速度が上がったと認識している。
◇
「師匠……」
カイは剣を折られたリディアを見て驚きながらも、アルベインの行った攻撃に震えていた。
(アルベインさん……。やっぱり、すごい! 前回の大会でアルベインさんを倒したスターリンさんを倒したことで、なんとなくアルベインさんを超えたんじゃないかって思っていたけど……。そんなことはない。俺じゃあ、師匠の武器を折るなんてできない)
カイはアルベインの実力を再認識しながら戦いを見つめていた。
一方でルーア達は――
「あいつ! やるじゃねぇーか!」
「す、すごい! アルベインさん! リディアさんの剣を折ったよ。お姉ちゃん!」
「えぇ、さすがです! アルベインさん」
ルーア、ムー、スーはアルベインを褒め称えながら笑顔を見せる。しかし、アリアの表情は険しかった。
「……あの馬鹿……。油断してる……」
◇
アリアの心配は的中していた。リディアの剣を折ったことでアルベインは浮足立っていた。
(……よし! よし! いける! 勝てる! いくらリディア殿とはいえ武器を失った状態では俺の相手にはならない! このまま押し切る!)
「リディア殿!」
「なんだ? アルベイン」
「すみませんが、決めさせてもらいます!」
そういうとアルベインは
「甘い。武器を破壊した程度で勝利を確信するのは間違いだ。この敗北で思い知っただろう。……まぁ、腕を上げたことは素直に認めよう」
倒れたアルベインを置き去りにしてリディアは悠然と闘技場から去っていく。その姿を司会者と観客が呆然と見ていた。しかし、カイだけはリディアの行ったことを理解していた。
(師匠! すごい! アルベインさんの一撃を最短で避けたあとに折れた剣で後頭部に一撃を入れた。アルベインさんが油断していたことを差し引いてもやっぱりすごい!)
カイが感心していると、ようやく司会者が状況を理解して実況する。
『あ、あーっと! な、なんと! アルベイン選手がエル選手の武器を壊して、エル選手を追い詰めていたと思った矢先にエル選手が勝利を収めていた! で、ですので! 二回戦、第二試合の勝者はエル選手でーす!』
司会者の勝利宣言を聞いた観客も遅れて拍手と歓声を上げるが、何が行ったのか理解できなかったこともあり、狐につままれたような表情で困惑していた。さらに救護員が遅れて闘技場へ入り、アルベインを担架へと乗せる準備をする。そんなアルベインを見たアリアは笑いながら一言。
「あははは。まぁ、頑張ったから許してやるか。……でも、本当にしょうがない奴」
救護員がアルベインを担架へ乗せて医務室へと運んでいると闘技場内へ誰かが入って来た。その姿を見た司会者、観客、カイは驚いた。闘技場に入ってきたのは、勝利を収めたエルだった。エルは折れた模擬剣の代わりに新しい模擬剣を持ってきている。しかし、エルは模擬剣を二本持っていた。そのこともあり、多くの者が困惑していた。何かのデモンストレーションなのか、忘れていたことでもあったのか、二刀流で闘うのか、などと憶測が飛ぶ中でエルは宣言する。
「私に休憩は不要! 直ちに決勝戦を行うことを望む!」
その宣言を聞いてもすぐに反応することができる者はいなかった。そんな中でもエルは言葉を続ける。
「私の準備はできている! そして、それは私の相手であるカイ選手も同様だ!」
カイはエルの――いや、リディアの視線に射ぬかれる。一瞬、恐怖がカイを襲う。リディアが恐ろしかった。いや、正確にはリディアと真剣に戦うことが恐ろしかった。リディアのことを嫌ったり恐れたことなどカイは一度としてなかった。むしろ、大切な剣の師として、家族として、誰よりも慕っている。だが、本気のリディアと戦う。修行ではなく真剣に戦う。そう感じてしまい怯えの感情がカイを襲った。しかし、すぐにその怯えは消失する。理由はやはりリディアだった。カイはリディアのことを考える。
(……怯える必要がどこにある……? 師匠は俺のために、こんな無茶をしてくれた。正体を隠して、演技をして、決勝まできてくれた。全部、俺のことを一番に考えてしてくれたことだ! だったら、俺が師匠にできることは一つだけじゃないか! 師匠の期待に応える!)
カイは言葉を発する前に走り出す。
そのまま観客席から飛び出して闘技場内へと入る。
闘技場へ降り立ったカイは真剣な表情でリディアを見据えて答えた。
「……はい。俺の準備はできています!」
カイの言葉にリディアは満足したように口元に笑みを浮かべる。リディアは持っていた模擬剣の一本をカイへと投げ渡す。カイはその剣を右手で受け取り腰に携える。リディアも手に持っていた剣を腰に携え待つ。
試合開始の時を……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます