第14話
後から知った話。少年は有名な書道家の息子だということだった。書道家と奥さんの間には子供ができず、奥さんが亡くなったあとお手伝いさんとして雇われた女性から生まれたのが少年だった。少年はいくつになっても言葉をおぼえなかった。障害があったらしく、20歳を超えても身長は130センチとちょっとのところで止まっていて、顔も体も少年そのものだった。書道家は文字を知らない少年のおもちゃに自分の書を与えた。少年は薄い墨で書かれた書の上を濃い墨でなぞる塗り絵を飽きずにやった。書道家が死んでしばらくして、書がなくなると少年はひどく不機嫌になった。見かねてお手伝いさんだった女性が与えたのが、書道家がデザインしたアイスクリームのロゴをコピーした紙だった。少年はアイスクリームのロゴを濃い墨でなぞった。お手伝いさんの手から、丸山さんはお金を払って少年を引き取った。これらの事実は少年に性的虐待をしていたとして丸山さんが逮捕されたことにより明らかになった。
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