第164話 お客が払う1万円札で悲しみが増す従業員たち。
夏と冬にボーナスが出る事は世の中では当たり前。
令和の時代でもまだ当たり前感はある。
お店を利用するお客さんは、7月初旬と12月には会計の時に1万円札を出すことが目立ってくる。
「今日は1万円札を出すお客さんが多いな・・銀行に5千円札の両替を多めにしておかねば・・」などと思うお店の従業員。
ふと気づく。
みんなボーナスが出ているんだ!!
中小企業の小売りチェーンなんぞボーナスがもう10年以上出ていない。
ボーナスの存在すら忘れてしまっている従業員たち。
しかし、お客さんが出す1万円札の多さで、ボーナスの存在を思い出す。
世の中はボーナス出ているんだ。
来店する茶髪の兄ちゃんも、汚らしい身なりのオヤジも、太り過ぎのOLさんもみんなボーナスが出ているんだ!!
何で、私たちだけボーナスが貰えないの??
悲しくなるよ。
若い従業員からボーナスが出る会社のお店に転職してゆく。
もう10年以上ボーナスなんて出ていない。
でも、同族経営のオーナー社長一族はベンツやBMWを自家用車にしているし、家には芝生の庭があるらしい。
悲しくなるよ。
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