第3話 キングという男
俺が事務所に戻ると若中の蒲生猛が裸でボコボコにされ横たわっていた。
理由は若頭補佐の馬場さんを守れず捕らわれてしまい、挙句おめおめと裸で戻ってきたからだ。
今井から事情を聞いた俺は、容赦なく猛の腹を蹴った、猛は血反吐に塗れ呻く。
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オヤジが本家の若頭阪東から、シマをまたいで悪さをしている、山口と木村という半グレを始末してくれと頼まれたのが発端らしい。
話では、他の組も手を焼くほどタチの悪いガキらしく、オヤジは若頭補佐の馬場さんと猛を含めた3人の若中に仕事を任せた。
早速、馬場さんは2人が入り浸っているキャバクラ ステイゴールドに乗り込む。
猛の話では、店の中で山口と木村は女2人と乱交中だったそうだ。
怒鳴り散らす馬場さんや猛たちに慌てることなく『キングお客様です』と誰に向けてでもなく声をかけていた。
その後のことは、よく憶えていないという。
気づいたときは、馬場さんと猛たち4人はボコボコにされ裸で縛られ、正座させられていたそうだ。
目の前のソファーには手足が妙に長くて、目も口も鼻も不自然にデカイ男が、やはり裸で座っていた。
男の馬みたいにデカイチンポを女2人が泣きながら咥えシャブっていたそうだ。
その男に向かって山口か木村のどちらかが『キングどうします、ヤッチャいます?』とヘラヘラと尋ねていた。
キングこと馬チンポの男は、猛を指差して『オマエダッシュで事務所戻って、事務所のお金全部もってきなさい』とデカイ口を引き裂くように釣り上げて笑った。
山口と木村は爆笑して猛の縄を解き、店外へ引きずり出すと『ダッシュ』といってケツにアイスピックを突き刺した。
猛は悲鳴あげて事務所まで逃げ帰ってきたそうだ。
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