所詮は一枚の紙/#文芸リレー

 人は失って初めて、その大切さに気づくのだから。

 そう書かれた古びた紙が、教室の机の中にあった。

 何だこれは。私は書いた記憶がない。

 誰かの手紙なのか。響いた言葉を書き写したものなのか。何かの暗号なのか。

 妄想が広がるけど、所詮は一枚の紙にすぎない。

 私は3秒見つめたあと、くしゃくしゃに丸めて、ゴミ箱にぽいと捨てた。

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