お薬増やしておきますね/#文芸リレー

「お薬増やしておきますね」


 その声が私の中で反響し、反響し、反響する。

 その言葉しか、私の世界に存在しなくなったのはいつからだっただろうか?


「お薬、増やしておきますね」

「お薬、増やしておきますね」


 その呪いの言葉は私を包み込む。

 私はにへらと笑って薬を受け取る。


「ありがとうございます」


 にへらと笑う。

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