美しくない世界/#文芸リレー

「世界は美しいのだろうか」

「そんなわけないじゃない」


 なんとなく呟いた僕の言葉に彼女は、嫌悪の声を漏らした。


「どうしてそう思うんだい?」

「決まってるでしょ。美しいのは世界じゃない。貴方よ。

 ––––––––––世界を創り出した貴方」


 彼女はそう言って、僕の手を握った。


「そうなのか」

「そうに決まってるの」


 そうして僕らは、世界を見ながら口づけをする。

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