第2話襲撃

建物が轟音を立てて崩れていく。石作の家が土煙を上げて爆ぜるように崩れる。

気づけば辺りは悲鳴で渦巻いていた。

おかしい、いった自分はどうしてこんな所にいるんだ。

狼狽しながらも辺りをうかがうと崩れた家の瓦礫や柱が炎を上げて自分を取り囲んでいた。

「ちょっと!、いい加減に立ちなさいよ!」

はたと気づいて視線を上げると、顔や服を泥だらけにした、女が立っていた。

年は16~7と言うところか、蜜柑のようなオレンジ色の頭髪を三つ編みに束ね、

頬や袖から出た腕に擦り傷をおい、血を滲ませていた。

「さあ!立って、逃げるわよ」

「へ?、逃げるって?」

炎を上げる瓦礫の山から黒影が足音を荒らしてまっすぐ炎の中をゆっくり向かってくるのが分かる。

女が炎の中の黒影に向かって構える。

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